ファッション
連載 エディターズレター:VIEWS ON WWD U.S. 第17回

米 アマゾンのバーチャルショップ

※この記事は2023年10月20日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

米アマゾンの「コーチ(COACH)」のページを見ると、アマゾンと思えぬリッチな構成になっています。ババーンと大きくイメージ画像が入っていたり、絶賛売り出し中のバッグ“タビー”を3Dで360度見られるようになっていたり。ギャラリーで商品画像を見せたり、歴史を紹介するコーナーがあったりと、雑誌っぽいページになっていて、なかなかの優遇ぶりです。

アマゾン、日用品やガジェット購入に愛用され続けていて、めちゃくちゃ便利ですが、コピー品の撲滅は難しく、どうしてもラグジュアリー感に欠けます。2020年にはLVMHのベルナール・アルノー会長に名指しで「出店しない」と言われています。

おまけにウルトラファストファッションの「シーイン(SHEIN)」が米プチプラファッション市場を席巻しており、インテリアなども含めてマーケットプレイス化を推進。さらに激安越境ECアプリ「TEMU」が追いかけてきていて、ユーザーを獲得しています。結構な危機感を抱いているのではないでしょうか。やはりメジャーブランドを獲得していきたいでしょう。

そんなアマゾンですが、やっぱり強いな〜と思うのは、アマゾンプライムビデオでオリジナルコンテツも持っていること。9月に能力者の学生が集まる大学を舞台にしたドラマ「GEN V」の大学や寮を3Dにして、ウェブ上で探索できるコンテンツを公開しています。

もちろんカレッジロゴ入りのアパレルやグッズを扱うバーチャル・キャンパス・ストアも。気になるアイテムをクリックすると、360度商品を確認でき、購入ボタンを押すと米アマゾンのサイトに遷移します。米国では大学寮の部屋の中のさまざまなアイテムも購入可能な模様。近々学部長のオフィスも公開するそうです。

自分のオリジナルIDカードが作れるようになっていて、好きなドラマの世界を体験しながら、グッズが買えるのは楽しいですね。これ複数のユーザーが一緒に入れるようにメタバース化されたら、大いに盛り上がりそう。

一気通貫で作れるのはコンテンツホルダーでもあるアマゾンならでは。オンラインの買い物もどんどん体験型になっていくように思います。
VIEWS ON WWD US:「WWDJAPAN」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙です。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。そんな米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説します。

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