フレグランス大手の米インターパルファム(INTERPARFUMS)は29日、オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)が展開する「デヴィッド・ベッカム(DAVID BECKHAM)」および、ABG傘下の「ノーティカ(NAUTICA)」のフレグランス製品の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。現在、両ブランドのフレグランスライセンスはコティ(COTY)が保有しているが、契約満了に伴い、「デヴィッド・ベッカム」は2028年4月1日付、ノーティカは30年1月1日付でインターパルファムへ移行する。インターパルファムのジャン・マダール(Jean Madar)会長兼最高経営責任者(CEO)は、ライセンス取得初年度の売上高について、「ノーティカ」は7000万ドル(約107億円)超、「デヴィッド・ベッカム」は5000万ドル(約77億円)に達するとの見通しを示した。
ABGのジェイミー・ソルター(Jamie Salter)創業者兼会長兼CEOは声明で、「今回、『デヴィッド・ベッカム』と『ノーティカ』を対象に、インターパルファムとの独占的かつ長期、グローバルなフレグランス契約を結んだ。これは最近実施した『ゲス(GUESS)』のフレグランスに関する複数年契約延長に続くもので、結果としてインターパルファムと複数ブランド・複数世代にわたるグローバルな関係性を形成した。3つの異なるブランドに共通する点として、いずれも象徴的な知的財産(IP)を、フレグランス分野で実績を持つインターパルファムと組ませ、長期的な視点で事業を育てていく戦略だ」と述べ、「これこそが、当社のプラットフォームが目指す姿だ。規律あるブランド管理と、トップクラスのオペレーターとの深い連携、そしてポートフォリオ戦略によって、インターパルファムのようなパートナーが複数ブランドに対して、数十年単位の視点で自信を持って投資できる環境を整えている」と続けた。
インターパルファムのマダール会長はインタビューで、「『デヴィッド・ベッカム』はセレブリティーブランドであると同時に、ライフスタイルブランドでもある。彼は多くの人にとってアイコン的存在だ。今後、当社のポートフォリオにはさらに多くのセレブリティーブランドが加わるだろう。特にABGとの協業を軸に、新たな機会を模索する。同社のポートフォリオを見ながら、何が最適かを判断していく」としている。「ノーティカ」については、「非常に素晴らしいヘリテージを持つブランド。再びエネルギーとオーセンティシティーを取り戻し、より個性のある製品を生み出せるだろう。焦らずに取り組む。Z世代を明確に意識しつつも、最終的に年商1億ドル(約154億円)規模へ戻るべきブランドだ。15年前であれば、『ノーティカ』のローンチは大型案件だった」と語った。また、「当社はアマゾンやTikTokで非常に強いビジネスを展開している」として、両ブランドをデジタルを軸に成長させる考えも示した。「ゲス」を例に挙げ、インターパルファムが流通戦略を通じてブランド価値を高めてきたと説明。「これらのブランドは米国限定ではなく、国際的な存在だ。世界各地のフレグランス専門チェーンと協業していく」と語った。
本契約の発表は、ABGが「ゲス」の全知的財産を保有・管理する事業体の51%を取得したと発表してからわずか数日後に行われた。インターパルファムは18年以降、「ゲス」のフレグランスライセンスを手掛けている。