ビューティ

中国美容企業のトップは「今も日本に進出したい」 理由は値引き乱発からの脱却

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PROFILE: 韩淑琪BIOLAB听研最高経営責任者

韩淑琪BIOLAB听研最高経営責任者
PROFILE: 創業は2019年、3年で中国国内で美容機器を含むユーザーは120万人を超えたスキンケアブランド「バイオラボ」を立ち上げた。美顔器は23年、iFデザインアワードを受賞している。韩最高経営責任者は、南カリフォルニア大学を卒業後に起業している

福島第一原発の処理水問題に代表される日中関係の悪化は、日本のビューティ企業にとって大きな問題だ。報道では中国人による「Jビューティ」の不買運動が起こり、中にはアフターコロナで回復を見込んでいた中国市場の見通しを「横ばい」と下方修正する企業もちらほら。だが、そんな報道は本当なのか?そこで越境ECをはじめ日本ブランドの中国ビジネスに特化したアドバイザリー企業のトップと、これから日本市場に進出しようとする美容機器メーカーの最高経営責任者を直撃。処理水問題の影響から、日本人が体感しづらくなっている日本市場の魅力まで、中国人の本音を探った。後編は、インターナショナルブランドを目指す中国のビューティブランドトップに日本市場の魅力と昨今の日中関係について聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):日本は、中国に比べれば小さなマーケット。昨今は中日関係も順風満帆とは言えず、日本人には経済から文化に至るまで、韓国や東南アジアの猛追を受け負け始めてきたという印象が広がり始めている。単刀直入に、それでも日本市場に進出したい?
韩淑琪BIOLAB听研最高経営責任者(以下、韩):実際、何人もの専門家や日本人に話を聞いているが、我々にとっての日本は、今なおトップスタンダードを誇る国。中国発のグローバルブランドとして成長する過程で、日本は最初に進出すべき国だ。日本にいるとわからないかもしれないが、日本で製品を販売していること・日本で売れていることには大きな意味がある。中国のZ世代は日本のカルチャーが大好きで、日本のファッションやビューティが大好き。私は、錚々たるラグジュアリーブランドが軒を連ねる表参道も、上海の同じようなエリアより独自性があると思っている。東京同様、上海にも高級ブランドのショップが立ち並ぶエリアや商業施設はいくつもあるが、どこも大差ないし、ハイブランドに偏りすぎている。一方表参道には、セレクトショップも多く、どこかで何かがポップアップを開催しているし、ストリートや若手ブランドもアクティブだ。

WWD:日本市場は、中国市場とどう違うと捉えている?
韩:一番の違いは、ブランドに対するロイヤリティーの高さ。気に入ったブランド、商品への投資を惜しまない傾向が強いので、大きな可能性を感じている。中国のビューティ市場は、プロモーションばかり。参加している私たちさえ、「W11」は「常々こんなにプロモーションしているのに、それ以上ディスカウントしなくちゃいけないの!?」と感じてしまい、正直くたびれる。中国人にとって最大のインセンティブは、ディスカウント。コピー商品でも気にしない人が多いから目的や効果・効能が似通っている美容機器なら安いものに乗り換えがちだが、日本人は違う。もちろん日本で成功するには、高い品質が欠かせないし、将来必要なエシカルな発想も鍛えられる。

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