ファッション

急成長「シーイン」に相次ぐ模倣品訴訟 「ドクターマーチン」「ステューシー」ともトラブル

 急成長中のファストファッションブランドとして注目を集める「シーイン(SHEIN)」だが、近年は商標権や著作権など、知的財産権を侵害しているとしてアーティストやブランドから複数の訴訟を起こされている。

 直近では、6月にアーティストのマギー・スティーブンソン(Maggie Stephenson)が「One is good, more is better」と題した作品の著作権侵害などを主張して「シーイン」の運営会社である香港を拠点にするゾイトップ ビジネス(ZOETOP BUSINESS CO., LTD.)およびシーイン ディストリビューション コープ(SHEIN DISTRIBUTION CORP.)」を相手取り提訴している。スティーブンソンは訴状の中で、同作品を米国著作権局に登録したのは2021年のことだが、この作品と派生作品は19年4月から展示され「広く普及している」と主張する。また、同作品は「原告(スティーブンソン)の最も人気のある、そして最も売れているオリジナル作品の一つ」と訴えている。同作品は「アーバン アウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)」などを通じて19~300ドル(約2500~4万円)の価格帯で販売されている。

 スティーブンソンは、本作品の「コピー」を「シーイン」が「Abstract Pattern Wall Painting Without Frame(額縁のない抽象画)」という説明で「過去3年以内に」販売を開始したと主張する。「シーイン」では、スティーブンソンが模倣品だと主張する作品を4ドル(約540円)から販売しているが、「アーバンアウトフィッターズ」で販売している同サイズの正規品は89ドル(約1万2000円)するという。さらに、「シーイン」で販売している作品からは、スティーブンソンの署名が意図的に消されていると主張する。

 スティーブンソンはフリーランスのイラストレーターで、「セフォラ(SEPHORA)」や「アーバンアウトフィッターズ」「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」などを通じて作品を販売しており、インスタグラムのフォロワー数は11万を超える。

 このほかにも「シーイン」は「ステューシー(STUSSY)」や「ドクターマーチン(DR. MARTENS)」などのブランドとも係争中だ。

 3月には「シーイン」が定番デザインの“STUSSY”のグラフィティーロゴと似たタッチのグラフィティーを配したアパレルや、“STUSSY”という文字列を配したTシャツを販売したことが消費者の混同を招くとして、「ステューシー」の運営会社が商標権侵害などを理由に損害賠償などを求めて提訴している。「ステューシー」は訴状の中で、「シーイン」が「ステューシー」のマークやロゴの「コピーや複製に近いもの」を使用したことで、ブランドと消費者の双方に「回復不能な損害」を与えた、あるいは与える可能性があると主張する。

 また、「ドクターマーチン(DR.MARTENS)」を製造するエアウェア インターナショナル(AIRWAIR INTERNATIONAL)は20年11月、ゾイトップ ビジネスが「シーイン」などで「ドクターマーチン」のブーツ26種類の模倣品を製造・販売したことが商標権侵害などにあたるとして訴訟を提起。現在も係争中だ。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

東京デザイナーがさらけだす“ありのまま”【WWDJAPAN BEAUTY付録:「第7回 WWDBEAUTY ヘアデザイナーズコンテスト」結果発表】

3月25日発売号の「WWDJAPAN」は、2024-25年秋冬シーズンの「楽天ファッション・ウィーク東京(RAKUTEN FASHION WEEK TOKYO以下、東コレ)」特集です。3月11日〜16日の6日間で、全43ブランドが参加しました。今季のハイライトの1つは、今まで以上にウィメンズブランドが、ジェンダーの固定観念を吹っ切ったことでした。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。