「シャネル」の担当者は、「今回の最終判決に満足している」とコメントし、24年2月に陪審員が下したWGACAに対する有罪評決を支持するものであると述べ、「陪審員は、WGACAが意図的に『シャネル』の商標を侵害し、偽造品を販売し、『シャネル』と誤解されるような広告を行ったと認定した。この判決は、『シャネル』がブランドと消費者を守るために揺るぎない姿勢を貫いていることを証明するものだ」とコメント。「今回の最終判決により、WGACAは『シャネル』の模倣品や商標を侵害する製品の販売、『シャネル』との虚偽の関連付け、および誤解を招くような広告の掲載が禁止される。『シャネル』は、WGACAが判決を遵守し、模倣品を特定する責任を負い、消費者が騙されることのないよう適切な対応を取ることを期待する」と述べた。WGACAの共同創業者であるセス・ワイサー(Seth Weisser)は、「引き続きこの問題を法的に争っている。今回の判決は途中経過に過ぎず、あらゆる救済措置を講じる予定だ。控訴も視野に入れている」とコメント。「判決後も『シャネル』製品のリセールは継続しており、今回の判決はわれわれの事業に影響を与えていない」と述べた。
「シャネル」は18年3月にWGACAを提訴。WGACAが模倣品を販売しただけでなく、あたかも「シャネル」と提携関係にあるような誤解を生む表現をしていることについても違法性を主張し、WGACAが販売する中古品に対して「シャネル」自身が鑑定を行っているかのような誤解を生む行為があると指摘した。
裁判の過程では、WGACAがSNSや広告で「シャネル」という名称を自社名よりも大きく表示していたことや、過去の「シャネル」の広告やファッションショーの写真を流用していたことが証拠として示された。また、WGACAが「シャネル」の店舗ディスプレイ用品(プラスチック製トレイやティッシュボックスなど)を購入して使用していた点も問題視された。
今回の判決には、WGACAによる模倣品の販売に対する法定損害賠償金400万ドル(約5億7200万円)と、許可されていない「シャネル」のハンドバッグの販売による収益1万2739ドル(約182万円)、および販促目的で使用された「シャネル」関連アイテム779点による収益の返還が含まれる。