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「シャネル」VS米ビンテージショップの商標権侵害訴訟が6年目に突入 陪審員の前で証人尋問が行われる

シャネル(CHANEL)」が2018年にハイブランドのビンテージ商品を販売するワット ゴーズ アラウンド カムズ アラウンド(WHAT GOES AROUND COMES AROUND 以下、WGACA)に対して提起した裁判の証人尋問が進行中だ。「シャネル」は、WGACAが「シャネル」の模倣品を販売しただけでなく、あたかも「シャネル」との間に提携関係があり、「シャネル」が真贋鑑定した中古品をWCACAが扱っているような誤解を消費者に与えたとして、2018年に提訴した。両者は約6年にわたって主張を繰り広げ、今年1月9日から陪審員の前で証人尋問を実施している。さまざまな関係者が証言台に立ち、証人尋問が全て完了するまでに1か月程度かかる見込みだ。

尋問では、WGACAが商品の真贋をどのように定義し、どのように販売しているかが一つの争点になっている。「シャネル」の代理人によると、WGACAは「シャネル」が使用していないシリアルナンバーが付されたバッグを販売したため、2015年に停止命令書を送付した。その中で「シャネル」は、商品を追跡するために使用している認証シールがイタリアの工場から盗まれた旨を記載したにもかかわらず、問題のバッグは「誤表記」だったとされ、販売されたという。さらにWGACAは、自社のECサイト上でシリアルナンバーの掲載を中止したという。

「シャネル」は、WGACAは「シャネル」の商標を侵害した51以上のハンドバッグと、「シャネル」のビューティカウンターの備品として制作されたロゴ入りのティッシュボックスカバーを含む779の製品を販売したと主張する。「シャネル」の弁護士によると、WGACAは16~22年の間に9000万ドル(約130億円)相当の「シャネル」の中古品を販売したという。また、反対尋問を受けたジョイス・グリーン(Joyce Green)=シャネル フランス マネージング・ディレクターは、両者の間に提携関係があると誤解したという話は聞いたことがないと述べつつ、「シャネル」の格が下がることを望んでいない熱心な顧客から、WGACAについて「なぜこのようなことが起きるのか」と疑問を呈されたと述べた。

WGACAの代理人は、この裁判は「シャネル」というブランドやその商標の問題ではなく、責任をもって中古品を販売する会社から商品を購入するという選択肢を消費者に与えることの方が重要だと問題提起した。また、消費者が両者の間に提携関係があると誤解するという論点については、90年代から2000年代にかけての「シャネル」のスタイルの一部は今でも高い需要があるものの、「シャネル」では販売していないため、WGACAが取り扱うことでブランド力の強化に貢献していると主張した。

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