ファッション

「アメリカンイーグル」の炎上に学ぶ 広告での失敗を避ける方法

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企業による広告やキャンペーンは、商品やブランドの魅力を消費者にアピールして購買意欲を喚起し、売り上げを伸ばすためのものだ。ファッション業界でも各社が工夫を凝らし、さまざまな広告を発表しているが、中には物議を醸して“炎上”してしまうものもある。最近では、若手俳優のシドニー・スウィーニー(Sydney Sweeney)を起用した「アメリカンイーグル(AMERICAN EAGLE)」の広告が「人種差別的だ」として炎上したことが記憶に新しい。過去に類似の事例がたくさんあるにもかかわらず、なぜこうした失敗が繰り返されてしまうのだろうか。「アメリカンイーグル」の例を中心に、その背景や炎上がもたらす影響について専門家らの意見をまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月8日号からの抜粋です)

「アメリカンイーグル 」は7月23日、人気ドラマ「ユーフォリア/EUPHORIA」でブレイクした若手俳優のスウィーニーをフィーチャーした2025年秋のキャンペーンを発表した。プロモーション動画の一つでは、ソファに横たわったスウィーニーがジーンズのボタンを留めながら「遺伝子は親から子へと受け継がれ、髪の色や性格、目の色などを決定する。私のジーンズは、ブルー」と呟き、最後にナレーターが「シドニー・スウィーニーは素晴らしいジーンズを持っている」と締めくくる。つまり衣類のジーンズ(jeans)と遺伝子のジーンズ(genes)をかけた言葉遊びが肝の広告だが、スウィーニーが金髪碧眼の白人かつ抜群のプロポーションをしていることから、人種差別や優生学を肯定する内容だとして公開直後から批判の的に。米国のSNSを中心に、「金髪に青い目、白い肌をした俳優が一人だけ登場して“素晴らしい遺伝子”の話をするなんて信じられない」「客は白人だけでいいということか。それなら二度と買わない」などと抗議する声が多数投稿された。

こうした動きを受け、「アメリカンイーグル」は8月1日、公式インスタグラムに「このキャンペーンは、そもそもジーンズ(衣類)に関するものだ。彼女のジーンズに関する、彼女のストーリー。私たちはこれからも、誰もが自信を持って自分らしく『アメリカンイーグル』のジーンズを着こなすことを祝していく。素晴らしいジーンズは、誰が着ても似合う」と投稿したが、ほかの声明や謝罪などは発表していない。スウィーニーも、キャンペーン初日に異なるパターンの動画を自身のインスタグラムに投稿しているものの、現時点では本件について正式なコメントなどは出していない。

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