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表彰台ジャケットは、エヴォーキングモデル エディターズレター(2021年8月11日配信分)

※この記事は2021年08月11日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

表彰台ジャケットは、エヴォーキングモデル

 「ソマルタ」の廣川玉枝デザイナーとアシックスが製作した“表彰台ジャケット”、素敵でしたね。(東京五輪の“表彰台ジャケット”を手掛けたのはどんな人? アシックスと組んだ廣川玉枝に聞く)私たちは見ればわかりますが、ジム友には「アレ、ニットでできているの!?」と驚く人もいらっしゃいました。彼女たちにとってのニットはフワフワモコモコな秋冬アイテムの素材で、夏のオリンピック&パラリンピックで着用するスポーツウエアにも使えるなんてビックリなのかもしれません。

 もっと言えば、洋服以外のアイテムだって、ニットで作れるかもしれません。例えば、スピーカー。スピーカーを覆うネットのような素材は「サランネット」と言うそうですが、機械の保護と音質の調整を目的としているのであれば、なんかニットも使えそうな気がしませんか?ハイゲージがいいのかローゲージなのか?人工繊維にすべきなのか案外カシミヤなのか?などはわかりませんが(笑)、そんな研究が進み、「ニットのサランネット」が出てきたって良いのです。観賞用のアートパネル、ってのはどうですか?「ミッソーニ」や「エトロ」はインテリアファブリックも提供していますが、いっそ、それをアートとして提供しても良いと思うのです(もうあるのかな?)。香りを収めたマイクロカプセルを練りこんでハイゲージで編めば、見て、触って、香ってと五感で楽しめるアートになりそうです。と、「アルカンターラ」を中心とする人工皮革など以外にも、洋服にも使うし、それ以外にも使う素材が増えたら、案外面白いんじゃない?なんて考えます。繊維メーカーや生地メーカーの皆さんは一生懸命考えていますが、それをファッション業界全体で知恵を出し合い、考えたいな、なんて思います。

 ビューティはどうでしょうか?廃棄する化粧品から絵具が生まれるなら、いっそ、最初から画材を作ると言う選択肢はありませんか(笑)?奥行きを感じる色合い、絶妙なラメや偏光パウダーなどは、アートの世界でも重宝されるのでは?なんて考えるのは、私だけでしょうか?「顔をキャンバスに見立て」メークをするのであれば、そもそも本物のキャンバスに塗るための画材だって、なんて発想なのですが、いかがでしょうか(笑)?

 SEIKOがミラノサローネに出展した作品などを手がける吉泉聡タクトプロジェクト代表/デザイナーは、そんな「次の世界を生み出すために取り組む、新しい価値観に迫る可能性をカタチ化」したモノを「エヴォーキング・モデル(evoking model)」と呼びます。実際吉泉代表は、ハイゲージのニットをエンボス加工して、それをアートパネルとして見せたそう。カタチになると、想像の翼が広がったり、バカバカしいと思い込んでいたから黙っていたアイデアが口にしやすくなったりしそうですよね?そんな中から、東京オリパラの表彰台まで彩るようなアイデアが生まれるのかもしれません。

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