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ユニクロは消費税分値下げして、どのように利益を確保するのか?【齊藤孝浩のファッション業界のミカタVol.26】

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 企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回はファーストリテイリング(FAST RETAILING)傘下ユニクロ(UNIQLO)とGUの値下げと利益確保について解説します。(この記事は「WWDJAPAN」2021年6月14日号からの抜粋です)

 4月の商品価格の総額表示義務化を前に、ユニクロとGUが9%の値下げを宣言して注目を集めましたね。その値下げが決算の数字に反映されるのは、第3四半期(3〜5月期)以降になりますが、今回はファーストリテイリングの上半期(9〜2月期)決算結果から、3月以降、9%値下げした上で、どのように利益を確保していくのかを考察してみようと思います。

 売上高をキープするだけなら、9%の値下げをしても、売上数量を単純に10%増やせればいい話です。これまでのユニクロのパワーをもってすれば、売上数量10%増はそれほど高いハードルではないと思います。特にこれまで、税抜1990円・税込2189円だったアイテムを、他社は税込2189円のまま、ユニクロ、GUは1990円で売るようになるわけですから、販売数量は確実に増えるだろうと思われます。

 しかし、販売数量が増えても薄利多売では意味がありません。問題は粗利です。同じ収益構造のまま、数量ベースで粗利を維持しようとすると、売上数量を25%増にしないと、計算上同じ粗利額は取れません。これは半端なくハードルが高いと思います。

 さて、上半期の結果を見ると、まず粗利が増えました。粗利率49.9%はここ数年間の中で一番いいんですよね。その結果、コロナ下だったにもかかわらず、営業利益率が好調だった2018年の14.4%に近い水準まで来ています。同社によれば、国内ユニクロ事業では粗利率が2.9ポイント改善したそうです。値下げのコントロールと生産効率のアップにより仕入原価が下がったことが要因のようで、特に値下げコントロールによる値引き率改善のウエイトが高かったようです。

 また、販管費(販売管理費)がコントロールできています。前年に比べて1.4ポイント改善。前年と比べて削減したのは、グローバルでは、人件費、物流費、広告宣伝費。人件費は海外のパート、アルバイトを大幅削減しました。国内では、効率化による物流費と広告宣伝費の削減が大きいようです。

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