ビジネス
連載 齊藤孝浩の業界のミカタ 第81回

「スリーコインズ」成長の裏で“アパレル利益率14.2%”が示すパルグループの真実

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企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は「スリーコインズ(3COINS)」が成長をけん引するパルグループホールディングスを解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2026年1月5&12日号からの抜粋です)

今回は40以上のブランドを運営しながら着実に成長するパルグループを決算書から読み解きます。2025年2月期の連結売上高は前期比7.9%増の2078億円で、営業利益は27.1%増の236億円と好調です。

過去10年の推移(下図)を見ると、売上高はコロナの時を除いては、右肩上がりです。営業利益率(黒い折れ線)も5〜7%台だったのが、コロナ禍で大きく落ち込みますが、そこからの伸びがすごいです。2025年2月期は11.4%です。

パルグループ連結 衣料、雑貨別 売上高、営業利益、各営業利益率の推移

その要因は、セグメント別に見ると分かりやすいです。結論から言うと、アパレルの自社EC比率が高くなったことと、雑貨の中の9割弱ぐらいを占める「スリーコインズ」の急成長です。

上の図の棒グラフの薄いグレーがアパレルの店舗売上高です。コロナで大幅に下がって、その後、回復はしましたが、コロナ前には戻っていません。一方でパープルがアパレルのECです。コロナを機に急激に伸びて、全体の4分の1を占めるまでになっています。そしてネイビーが雑貨の中の「スリーコインズ」で、ここも大きく成長しています。

それぞれのセグメントの営業利益率も折れ線グラフにしました。「スリーコインズ」のような生活雑貨(水色線)ってコロナ禍でもあまり影響を受けなかったんですよね。売り上げは伸び続け、利益率も維持しています。

そしてコロナ禍で売り上げも利益率も落ちたアパレル(グレー線)が、この3年間で利益率を非常に高めています。その理由は自社ECの成長です。パルのECは、自社EC(「パルクローゼット」)と「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」「その他モール」に分かれていますが、自社EC売り上げがコロナ前から5倍になっています。過去5年間で自社比率が24%から42%に高まり、利益率に大きく貢献しているようです。

家賃比率が下がる理由

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