ファッション

大阪湾を一望できるグランピング施設 りんくうプレミアム・アウトレットに開業

 三菱地所・サイモンが大阪・泉佐野で運営する大型商業施設「りんくうプレミアム・アウトレット」の第5期増設エリアが8月12日に開業した。店舗面積約1万3200平方メートルには既存エリアから移転した14店舗を含む物販38店舗と飲食店10店舗の計48店舗が出店。施設全体の店舗数は約250店舗、店舗面積は約5万100平方メートルに拡大し、西日本最大規模のアウトレットモールになった。

隈研吾設計のモバイルハウスに宿泊

 今回増設したのは、2012年に開業したシーサイドエリアの南側区画、海沿いの広大な芝生広場「シーサイドパーク」、バスターミナルの3つのゾーン。大阪湾と関西国際空港を一望できる海沿いのロケーションを生かしたリゾート感あふれる設計が特徴だ。

 隣接する2つの府営公園をつなぐ約2万平方メートルのシーサイドパークには、アウトレットモール初のグランピング施設ができた。建築家・隈研吾氏とスノーピークが共同開発したモバイルハウス「住箱―JYUBAKO―」を5台設置し、焚き火やバーベキュー(BBQ)などのアウトドア体験を提供する。

 スノーピークが運営する住箱の宿泊施設は全国で5店舗目。ヒノキ合板を使い、木の柔らかな香りが漂う室内には、ベッドや冷蔵庫などがフル装備されており、大人2人と小学生以下の子供2人までの宿泊が可能だ。今回初めて1泊2食付きの宿泊プランを用意した。料金は1人2万4000円〜で、併設するレストラン「スノーピークイート」でのディナーコースか屋外でのBBQセットのどちらかを選べる。朝食にはスノーピークの調理器具を使って自分で作るホットサンドを味わえる。関西国際空港に近い立地を生かし、平日限定で1泊朝食付き(1万5000円)のビジネスプランも用意した。

 住箱に近接した区画にはキャンプ用品とアパレルを取りそろえた直営店「スノーピーク(SNOW PEAK)」大阪りんくう店を出店した。店舗面積は約441平方メートル。同店の藤坂香織マネージャーは「宿泊施設を併設した店舗は今回初めて。スノーピークがすすめるNOASOBIの体験価値をさらに高める基地ができた」と話す。シーサイドパーク内の特定エリアでは今後、手ぶらキャンプやテント設営体験などのイベントのほか、宿泊者限定の焚き火体験、焚き火ディナーなどのサービスを提供していく予定だ。

国内客の「近場消費」に期待

 もう一つの見所は、大型フードホール「りんくうダイニング」。カリフォルニア発のアメリカンチャイニーズレストラン「パンダエクスプレス」、「釜たけうどん」、お茶漬け専門店「こめらく」、「一風堂ラーメン エクスプレス」などが出店した。海側の大きな窓には日本の商業施設としては初となるスマート調光ガラス「ヘイリオ」が採用されており、逆光時にも大阪湾の眺めを堪能できる。

 ラグジュアリーブランドやインポートブランド、スポーツ・アウトドアブランドが集積するアウトレットゾーンには、「アレキサンダーワン(ALEXANDER WANG)」「アークテリクス(ARC' TERYX)」「ニューエラ(NEW ERA)」が関西のアウトレットモールに初出店した。今回の増設では中庭に屋外型の独立飲食店舗やアート感覚のイス、樹木などを配置して回遊性を高めたほか、バスターミナルを新設し、国内外の団体客の受け入れ体制を強化した。

 三菱地所・サイモンの山岸正紀社長は「今年は開業20周年を迎えるターニングポイントの年。ショッピングだけではなく、コト消費の要素を新たに取り入れることでこれまで足を運んでもらえなかった顧客にも広くアピールし、新たな客層を開拓していきたい」と話す。ただコロナ禍で客足が途絶えた訪日外国人客については「短期的な回復は難しい」という。外出自粛の影響で昨今伸びつつある国内の近場消費に期待しながら「質量ともに西日本を代表するアウトレットモールとして運営していきたい」と話している。

橋長初代(はしなが・はつよ)/流通ライター:同志社女子大学卒。ファッション専門誌の編集を経てフリーランスのライターに。関西を拠点に商業施設、百貨店、専門店、アパレル、消費トレンド、ホテル、海外進出などの動向を「WWD JAPAN.com」「日経クロストレンド」などに寄稿。取材では現場での直感と消費者目線を大事にしている。最近の関心事は“台湾”と“野菜づくり”と“コロナ後のファッションビジネス”。「リモート取材が浸透すれば、もっと取材先を広げていきたい」

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