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史上初のデジタル・パリコレ取材 そこに未来はありました エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年7月10日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

史上初のデジタル・パリコレ取材 そこに未来はありました

 パリのオートクチュールは7月6日から8日までの3日間、史上初めてデジタル上でファションウィークを開催しました。デジタル上でファション・ウイークだなんて何それ?ですよね。人が集まってこそのファション・ウイークがデジタルとは、なんか無理やりっぽい。でも文字通り、パリ時間朝10時から夜20時まで、1時間刻みで発表スケジュールが組まれ、実際にオンタイムになるとデジタル上で何かしらが発表されました。多くのブランドは、コレクションのコンセプトや世界観を伝えるムービーを発表しました。

 ムービーなので後から録画を見ることもできるのですが、あえてオンタイムにPC前に座って見たのは、初体験のデジタルコレクションに対して自分自身がどう反応するのか、客観的に観察したかったからです。以前こちらのレターに書きましたが、自分で決めたデジタルコレクションの良し悪しの基準は「それに興奮するか否か」。頭で理解したり、「すべし」論ではなく、体験した結果自分の中をアドレナリンが巡るか否かを大切にしました。だってファッションですから!

 で、結論。そこに未来はありました。良かった!

 玉石混合だし、まだ完璧じゃないけど、デジタル上でコレクションを見て興奮する局面はいくつもありました。キーワードを一つあげると、成否の決め手は「没入感」です。例えば「ディオール」は映画監督を起用してまるで映画のようなムービーを作り、おとぎの世界へ観るものを没入させました。それはパリのロダン美術館でショーを見ることで「ディオール」のおとぎの世界を楽しむ感覚と同じです。

 「没入感」は映像美がないと作れない訳ではありません。インスタライブでデザイナーと対話したりユーチューブのコメントを通じて世界中の人たちとコミュニケーションしながら一つのコレクションを見ていると、ブランドのコミュニティーの中に深く没入してゆく感があり、リアルでショーを見るのとは違うおもしろさがあります。

 もう一つ、取材そのものも新しい感覚を得ました。「WWDジャパン」の取材チームは、オンラインでつながりながら配信を同時に視聴したのですが、メンバーが定刻数分前になるとワラワラとオンライン上に集まるのはなんか楽しい。ドイツ在住のスタッフもいますが、自分との距離感は東京のスタッフと寸分違わず。で、終了後は「あの画像はこんな意味があったのでは?」「あの見せ方がおもしろかった」など感想を語り合って「それではまた1時間後に会いましょう〜」と別れるのです。

 離れているけどつながっている。コロナをきっかけに得たこの感覚はファッションを新しいステージに連れてゆくと確信しました。

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