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「独立してみたい景色を目指して」 Vol.6あなたは遊ぶのか?行動を変えるのか?

 突然の長期休暇じゃありません!!

 さて、しばらくコラムをアップするにあたり様子をうかがっていましたが、大変な状況になりましたね。緊急事態宣言の範囲が全国に拡大されてからしばらく経ちましたが、収束の気配は未だなく、国民の生命維持に全くの猶予無しの状況下で、政府と各都道府県知事の間の「調整」などが報道されたことは記憶に新しいですね。全く、何やっているんだとね。

 そこでね、今回はこれまでとはテンションを変えて、真剣に話したく。

 通称“アベノマスク”を始め、給付金のショボさとスピードの無さなど、国の対応には呆れるばかりか怒りを覚える人も少なくないですよね。私も、当然ながらその1人です。

 日本はさ、ほんと災害に弱い。東日本大震災などの教訓から何を学び、国民の税金をどこに効果的に投下して、来たる国難に対策を講じているのかがよく分かったよね。他国の外出禁止令のようなペナルティある「命令」ではなく、「要請」という言葉までの強制力しか持っていない法律下では、日本人は他国に類を見ない特有の「協調性」を発揮して、全国民が大きな危機感のもと自律行動をしなくてはと考えてしまいます。

 突然訪れた長期休暇じゃないんだよ。こんな難局の時に、ビーチに行ってみたりサーフィンなんてしたりしているやつは誰なんだよと。自分には感染症状が無くてもさ、もし自分がウイルスを持っていたら、どこかの誰かの生命を危機に陥れること、いい加減わかりなよ。それが近親者かもしれないし、友人や同僚かもしれないよ。アメリカやイタリアのように、更なる感染拡大を助長していることに気付きなよと。

 私は仕事柄、海外へ行く機会があるから、日ごろ思うことがあります。

 日本は先進国で、医療や公共施設は整備されて治安もよく、舗装された道路や街にはゴミが少なく住みやすい。少し行けばコンビニやスーパー、ドラッグストアが当たり前のように存在する。他人を思いやる精神を有していて、地震などの災害が起きてもパニックを起こさず、冷静かつ前向きに「これからをどうするのか?」を考えて行動できる。戦争という大きな過ちを反省して復興し、経済成長を遂げて、今がある。苦しい時代を一生懸命に生きて創ってくれた、先人たちのおかげで今があるんだと。

 私たちは今、その上に立っていて、これまでの努力や人の願い・想いを断ち切って良いわけがないと。大変な時くらいは、いつもと行動変えて我慢しましょうよ。平穏な日常が戻ってから遊びましょう。「行動しない」ということは、「意志もなく、何も考えずに、ポカンとしていること」と同じなんだということ。

 それともう一つ。政府やリーダーの対応への不満が噴出していますが、選んだのは私たちですよね。選挙権を有していながら、真剣に考えずに投票した方も少なくはないはずです。そもそも投票にすら行かない人は、真剣に反省する時だと思います。義務を果たしてから権利を主張することが大切だと思うのです。

 こんなことを考えていたら、19歳の女性がインスタグラムで代弁してくれていたのを見つけたので、画像を一部転載&ご紹介します。同感ですし、こういう若い世代のエネルギーが未来の日本に良い影響を及ぼすことを期待したいのです。

 では、われわれファッション業界はどうなのか?指くわえて眺めている人たちなんて、実際そんなにいませんよ。行政がスピードを持ってやれないことを、こんな時だからと行動に移しているので紹介します。少しでも多くの方々の助けになればと!早くコロナショックが収束してくれないと、ファッション業界も当然ながら大打撃ですから。

 ブランドサイドは展示会もできなければ、そもそも素晴らしいクリエイションの数々を世の中にお見せすることもできない。そもそも、ショッピングを楽しむ日はいつになるのかと。マスクもサニタイザーも手に入りにくいし、みんな困っている。「よし!じゃあ私たちでやっちゃおう!!」ということで、多くのブランドが自社で使用している上質な生地を使ってマスクを生産し、お世話になっているお客様に配ったり、オフィシャルECで販売したりしています。例えば「ヨシオクボ(YOSHIO KUBO)」「ファクトタム(FACTOTUM)」などは、〝らしさ″もあり、お客様への愛もありでステキです。ぜひオンラインを覗いてみてください。

 他には、「スタンプド(STAMPD)」などを扱うショールームI AMは、社員の提案で独自のルートで使い捨て用の3層構造サージカルマスクを輸入。利益を取らず、わずか2週間で数多くの人に届けています。私自身もこれで助かり、近親者や周りの困った人の一助となるべく、かなりの数をオーダーして配ることができました!!できる限り、多くの要望に応えて、不足を少しでも補いたいと、胸アツで話してくれました。今後もまだまだ続けてくれるはずです!!

 そして、今や世界の有名ショップ御用達の「ヴァイタルマテリアル(VITAL MATERIAL)」。マスクと同様に困っている消毒用のハンドジェルを使って、プロジェクト開始です。その名も「#CONNECT TO THE FUTURE」。以前から販売する消毒用ハンドジェルと口腔ケア用歯ブラシで、かねてより縁のある人気ブランドやメディア、著名人とコラボ。不足しているアルコール類を多くの方にお届けします。更に販売収益で増産し、保育施設など各施設に寄付するそう。この苦境を共に乗り越えるべく、少しでも社会の役に立ちたいと支援活動を続けるそう。私も、少し参加させていただきました。商品は、各コラボブランドのオンラインと「ヴァイタルマテリアル」のオフィシャルECで、4月28日の正午から5月17日まで受注販売予定です。

 ご紹介できたのは、ほんの一部。他にもたくさんのブランドが取り組みを行っています。

 ファッション業界には、やっぱり前向きでスピード感ある素晴らしい行動を起こせる方々がたくさんいるんだと実感しました。ここで一度、自分の足元をしっかり見る良い機会ですよね。

 遊びではなくて、真剣に、「これからをどうするのか」を考えて、一人一人の確固たる意志と自律ある行動によって、明日の生活を皆で取り戻しましょう!!

井上智和:1981年東京生まれ、東京育ち。アイデア バイ ソスウ、サファリラウンジのアドバイザー/バイヤー。中央大学商学部を卒業後、三陽商会に入社し、店頭研修後に「バーバリー・ブラックレーベル」で販売トレーナー及びVMDを担当。3年目の終わりに「ラブレス」に異動しバイヤーに。国内外ブランドの開拓・買い付けをしながらセレクトショップの運営を学び、直近はバイヤーの他にプレス・販促・販売の長を兼務しながらリテール事業を経験。15年在籍の後に退社し、現在は「1H basix(ワンエイチ ベイシックス)」の名を冠して独立。ファッション・ライフスタイル領域のセレクトにて、アドバイジングやディレクション、買い付けを行なう傍ら、大人の本気遊びを体現し記事執筆を行う

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2020年春夏、コロナ禍でも売れたものは何だった? 富裕層の高額品消費意欲は衰えず

「WWDジャパン」9月21日号は、「2020年春夏、有力店で売れたもの」特集です。WWDで毎シーズン恒例となっている有力店の商況調査ですが、コロナ禍に見舞われた今春夏は、多くの商業施設が営業を再開した6~7月の期間で消費動向や好調なブランドを調査しました。化粧品、特選、婦人服、紳士服などの9つのカテゴリー別に各店のデータをまとめています。コロナで大苦戦という声が大半を占めると思いきや、こと特選カテ…

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