
コレクション当日の熱気に包まれたバックステージ。モデル一人一人に施されたヘアとメイクには、デザイナーの思いをくんだプロフェッショナルたちの表現が込められている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月15日号からの抜粋です)
「フェティコ」
“違い”が自立した女性像に
ルックで際立っていたのは多彩なリップの表情だ。青みやバイオレットを含むダークトーンを軸にトーンを衣装に合わせて振り分け、潔くリップを引かない選択をしたモデルも。眉もブリーチや1920年代を思わせる細眉で軽やかさを取り入れた。ヘアはムードボードから導かれた「はかなさ」「緊張感」を軸に構築。耳を覆うクラシカルなタイトヘアから、あえて崩したラフな質感まで幅を持たせ、不安定さを美学として残した。はかない少女的なキャラクターの隣に強い存在感を放つモデルを並べるなど、飛び道具的な“ランダムさ”も意図的に投入。モデルそれぞれの素の個性を尊重することで、「フェティコ(FETICO)」の描く女性像に無理のない説得力を生んだ。
Key Item
comment:
HAIR STYLIST 森岡祐介

ムードボードからはかなさや緊張感を受け取った。整えるよりも少し崩すことで、緊張感の中に人間らしさや温度が立ち上がる。完璧な均一感ではなく、モデルそれぞれの個性が持つ“揺らぎ”を残すことが「フェティコ」の描く女性像には欠かせないと考えた。
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