ファッション

「背伸びをせず、自分たちらしさを大切に、誠実に続けたい」 「オーラリー」岩井良太デザイナーが授与式で語った思い

毎日新聞社は23日、「第43回毎日ファッション大賞」の授賞式を開催した。大賞の「オーラリー(AURALEE)」の岩井良太デザイナーは、「生地が好きなだけで何物でもなかった自分が日本の生産背景を生かして最高のものづくりをしたいという思いで始めた」とブランド創立当初を振り返った。

同時に、「僕が日々の生活の中で幸せを感じるのは、天気が良かったりいつものお弁当を食べたり、そんなささやかな瞬間。『オーラリー』の服も同じように、着てくださる方が日常の中でふと嬉しい気持ちになってくれたり少し気分が高揚するようなそんな存在でいれたら」とコメント。「これからも背伸びをせず、自分たちらしさを大切にしながら成長し、素材への好奇心と関わってくださる皆さまへの感謝を忘れず、誠実に服作りを続けていきたい」という言葉で締めた。

新人賞・資生堂奨励賞を受賞した「フェティコ(FETICO)」の舟山瑛美デザイナーは、「本当にファッションデザイナーという仕事が好き。思い描いたものを形にして人を幸せにできる、この仕事を一生続けたいという覚悟でブランドを立ち上げた」と初心を振り返った。「改めてブランドコンセプト「The Figure:Femine(その姿、女性的)」に触れ、「女性の体のユニークさ、個性にインスピレーションを受けてデザインをしている。新しい時代を築いていく女性像をデザインしていきたい」と意気込んだ。

授賞を記念し、舟山デザイナーによる特別なプレゼンテーションを公開した。資生堂ビューティークリエイションセンターのヘアメイクチームの協力のもと、26年春夏コレクションを含む過去のアーカイブの中からモノトーンで統一したルックを披露。疾走感のある音楽の中を闊歩するモデルたちの姿にブランドが描く女性像を改めて宿した。

選考委員特別賞は皆川明「ミナ ペルホネン」デザイナーが受賞した。「30年後には日本の生産地や生産者が以前のように活性化しているのではなどと考えていたが、30周年を迎えた今もまだ道なかばだと実感している」と語り、「生産者の皆さまと力を合わせ、ものを作る人の喜びとそれを着る人の喜びを同時に叶えていけるようなデザインを精一杯尽くしたい」と締めた。

第43回「毎日ファッション大賞」の受賞者は以下の通り。
大賞:岩井良太「オーラリー」デザイナー
新人賞・資生堂奨励賞:舟山瑛美「フェティコ」デザイナー
鯨岡阿美子賞:糸編 宮浦晋哉代表取締役兼ファッションキュレーター
話題賞:YKK「YKKファスニングアワード」
選考委員特別賞:皆川明「ミナ ペルホネン(MINA PERHONEN )」デザイナー

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