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販売員のリモートワークはどう取り組む? プロモーション担当へ配属した「マザーハウス」編

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けて、百貨店やファッションビルをはじめとする店舗が臨時休業中だ。店頭に立てず勤務ができない販売員は「突然、1カ月の休みがてきてしまった」と嘆いている。オフィス勤務社員のリモートワークでさえも難しい状況だが、販売員への仕事を創出している企業もあった。その事例を紹介する。(この記事はWWDジャパン2020年4月20日号からの抜粋に加筆しています)

マザーハウス

 途上国で生産したバッグやジュエリーなどを扱う「マザーハウス(MOTHERHOUSE)」は、新型コロナウイルスの状況を素早く判断し、さまざまな施策を打ち出している。現在は仙台店を除く全国の店舗の販売員が在宅勤務中だが、山崎大祐・副社長やチーフマネジャーによるオンライン研修をはじめ、公式オンラインサイトでは平日の午前10時から午後6時の間、顔が見えるチャット機能を使ってデジタル接客を行っている。

 2月29日から臨時休業中の千葉・舞浜の商業施設、イクスピアリの店舗スタッフたちを、早期に本社勤務に切り替えて別部署に配属。イクスピアリ店店長の石川怜さんは、プロモーション担当として自由に外出できない子どもたちに向けた企画を立案した。デザイナーである山口絵理子社長が描いた絵本の挿絵をもとにぬりえを制作。「マザーハウス」の商品を生産する6カ国の名物・名所のイラストを使ったぬりえを送料無料でプレゼントし、データも公式サイト上で無料ダウンロードできるようにした。また小学生以下の子どもを対象にした「おえかきコンテスト」も企画。「夏といえば?」をテーマにイラストを募り、優勝作品は店舗のショッパーとして配っているコットンバッグの絵柄として採用する予定だ。

 さらに外出自粛要請の影響を受けて、商品の魅力をオンラインで発信するため動画コンテンツを拡充した。元々は本店スタッフで、3月にプロモーションチームに異動した安藤輝さんは、ユーチューブ上で「マザーハウス」のショッピングチャンネルを立ち上げ、自らナビゲーターとなって動画で商品のポイントを熱く語っている。

販売員の声
“会社が別部署での役割を用意してくれたことで安心できた”

 「勤務先のイクスピアリは休館になったが、会社が別部署での役割を用意してくれたことで安心できた。副社長の山崎らとのミーティングで『お出かけができない子どもたちが少しでも家にいる時間が楽しくなるように』という思いで、ぬりえ・絵本・書籍の無料提供を企画。店舗ではなかなか直接的に価値を届けられない子どもたちに発信でき、やり甲斐を感じた」(石川怜/「マザーハウス」舞浜イクスピアリ店店長)

 「ショッピングチャンネルは収録自体がすごく楽しく、スタッフ間でのリアルなやり取りをお届けできていると思う。お客さまから『日常の光景が動画で見られたので、お店に行っているような気持ちになれた。元気をもらえた』というメッセージをいただき、励みになった」(安藤輝/元マザーハウス本店スタッフ、現プロモーションチーム)


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