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特集 企業カルチャー浸透術 第6回 / 全10回

復調を遂げたオルビスの組織変革 行動指針が根づく報酬制度の設計法

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V字回復を遂げたオルビスの組織変革 行動指針が根づく報酬制度の設計法

model case 4:
報酬制度

オルビスは2018年、リブランディングと組織変革を同時に始動し、第2創業期へこぎ出した。鍵は「オープンマインド×未来志向」のカルチャー転換と、それを実装する人事・評価の再設計。行動指針の刷新とそれを根付かせるための徹底した組織変革を実行する。先任とともに変革を先導し、25年7月に現職に就いた山口直HR本部 本部長 HR企画・労務部 部長、社長室 室長 兼務は、競争・変化の激しい時代における組織づくりのキーワードは「実行力」と話す。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月3日号からの抜粋です)

オルビス

社長:山口裕絵、ビジョン:常識にとらわれない視点から、日常文化を美しく創造しつづける、
創業年:1987年、従業員数:1051人(2024年12月末時点)、売上高:481億9000万円(24年12月期)

成功体験から離れる勇気が変革に

2000年代前半まで、オルビスはダイレクトマーケティングの仕組みで順調に成長を続けていた。しかしその成功体験はやがて新たな成長を阻む“足かせ”となる。10年代後半、組織は踊り場に差し掛かっていた。「効率化や最適化を重視して管理型のマネジメントが敷かれていた結果、“部分最適”“過去慣性”で動くケースが増えてしまっていた」と山口HR本部長は振り返る。

18年にリブランディングと同時に組織変革を断行。化粧品ECの先駆けとして成長してきた成功体験から離れ、「過去ではなく未来を見る」「セクショナリズムを越えて対話する」という姿勢を明確にした。行動の定義、行動の蓄積、行動の評価の三位一体で文化が醸成されると考え、経営と社員のハブであるミドル層を起点に変革を始めた。

そして新たに掲げた行動指針が「オルビスマネジャースタイル」だ。「今までの文化は一度終わりにして新しい文化を根付かせる」という強い意志のもと、「意識してほしい行動」「意識してほしくない行動」を明文化した。24年に「オルビスマネジャースタイル」を「オルビススタイル」へ刷新。硬めの表現から、「お客様を主語に」「言葉にすることをやめない」など、日常的に使いやすい言葉に置き換えた。会議で社員が上司に意見を伝える際、「“言葉にすることをやめない”があることで発言しやすい」といった効果もあり、文化定着を後押ししている。

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