執務フロア。中央にイタリアのデザイナーと植物学者で構成されるシンクタンク「PNAT」による、植物をバイオフィルターとして活用した空気を浄化するアート「ファブリカ デラリア」。吹き抜けの手すりにはプリズムシートが貼られ、メガネのレンズを思わせる PHOTO : SHUHEI SHINE
働く空間
「社員が大企業病にかかりかけているのでは」―田中仁CEOの強い危機感から、2021年、ジンズ(ホールディングス)は飯田橋の駅に近いインテリジェントビルの29&30階から、神田にある地域再開発のため将来的に取り壊し予定の9階建ての一棟貸しのビルに移転を決めた。そこからビルをフルリノベーションし、社員のチャレンジ精神やクリエイティビティーを刺激するオフィスをつくるという移転プロジェクトが始動。“美術館の中で働く”というユニークなコンセプトの空間は、静かにジンズのカルチャーをブーストしている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年11月3日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
ジンズホールディングス
CEO:田中仁、ビジョン:Magnify Life-まだ見ぬ、ひかりを、創業年:1988年、従業員数:3485人、売上高:972億円(2025年8月期)
吹き抜けと内階段でつながる一体感
東京本社移転のコンセプトは「ベンチャー魂を取り戻す」。「つまり、『マグニファイライフ』というビジョンの実現だ。世界中の人々の生活を豊かにする、まだ光が当たっていない可能性を広げる―チャレンジ精神や、固定観念にとらわれないものの提供につながる」とマーケティング部の舘林和哉さんは語る。
建築家の髙濱史子さんに依頼し、“壊しながら、つくる”と“美術感×オフィス”をテーマに設計。2階のフリースペースでは、もともとの床を活用して、組み立て式の椅子を床に埋め込むという斬新なアイデアを実現した。また、3階のギャラリーはキュレーターの長谷川祐子さんに空間と展示品の監修を依頼した。壁や床の色、照明にもこだわり、会議室をつなぐ通路でありながら、作品展示に適した空間を作った。また、リフレッシュとウェルビーイング、コミュニケーション促進の観点から9階にフィンランド式サウナを導入した。
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