
染色大手の小松マテーレは2026年3月期の純利益の見通しを14億円(従来は25億5000万円)に修正する。以前に取得した非上場企業の投資有価証券の評価額を切り下げ、本日発表した25年4〜9月期決算で特別損失として12億3200万円を計上した。中山大輔・小松マテーレ社長は、出資先について「必要に迫られて会計上の処理はしたものの、中長期的に経営戦略上の重要なパートナーであることに変わりはなく、今後はさらに取り組みを加速させる」考え。
純利益以外では好調を維持しており、小松マテーレの25年4〜9月期決算は、売上高が前年同期比6.5%増の203億円、営業利益が同16.4%増の13億5300万円、経常利益が同10.4%増の16億9300万円、純利益は14億4000万円減の1億8900万円だった。主力の欧州ラグジュアリーブランド向け及び中東の民族衣装向けのテキスタイル販売が好調で、全体を押し上げた。
同社は「ワークライフバランス」の向上を掲げ、年間休日の増加や休日出勤の削減など福利厚生の充実を進めており、今期に入って年間休日を116日から120日に引き上げたほか、前年までは10〜18日ほどあった休日出勤も「ゼロかそれに近い数字にまで削減している」(中山社長)という。こうした取り組みに伴って工場も稼働時間は5〜6%減少しているものの、数量ベースは3%減にとどめており、生産性の向上で稼働時間の減少を補っている。
26年3月期通期では売上高が前期比3.7%増の410億円、営業利益が同21.5%増の26億5000万円、経常利益が同12.7%増の32億円と、純利益を除く項目で5期連続の増収増益を計画している。