ファッション
特集 販売員特集2025 第31回 / 全38回

「スタッフオブザイヤー」で躍進 眼鏡を選ぶ時間を楽しく「ゾフ」つなかんさん

PROFILE: つなかん/「ゾフ」大船ルミネウィング店・スタッフ

つなかん/「ゾフ」大船ルミネウィング店・スタッフ
PROFILE: 神奈川県出身。2019年に新卒でゾフに入社。販売員として、神奈川県内で複数店舗を経験し、オープニングスタッフとしての立ち上げにも携わる。3年ほどで一度退職し、アパレルブランドでの販売などを経て復職。22年から大船ルミネウィング店に勤務している。復職以後、社内スタッフインフルエンサーとしても活動し、月200件近い投稿を続けるなど、精力的に取り組んでいる

神奈川県の大船駅に隣接するルミネウィング5階の「ゾフ(ZOFF)」大船ルミネウィング店は、平日の午前中にもかかわらず高齢者から親子連れまで、眼鏡を求めるさまざまな人でにぎわう。その店内で、ひときわ通る声で、ハキハキと接客するのが「つなかん」こと坪内菜々美さんだ。2019年に新卒で「ゾフ」へ入社したつなかんさんは、これまでジョイナステラス二俣川店や湘南モールフィル店など、県内の複数の店舗を経験。イトーヨーカドー立場店では、オープニングスタッフとして店舗立ち上げにも携わった。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月22日号からの抜粋です)

退社して知った「ゾフ」との相性の良さ
再入社後に訪れた転機

しかし入社から3年ほどで一度退職し、女性向けアパレルブランドでの販売や、スポーツジムの受付業務を経て、再び「ゾフ」に戻ってきた。その理由を「やっぱり『ゾフ』の働き方や接客が自分に合っていると感じたんです」と語る。アパレル時代は百貨店内という環境もあり、接客にあたって「少し背伸びをしなければならない」雰囲気があった。一方「ゾフ」では「お客さまとの距離感が近く、フランクに話せることが自分の良さを発揮できる」と実感した。自然体のまま働ける環境だと改めて感じたことが、再入社の大きな決め手となった。

接客で心がけているのは「親しみやすさ」だ。持ち前の明るさと笑顔で話しかけやすい雰囲気をつくり、客が安心して相談できる時間を大切にしている。「眼鏡はどうしてもマイナスイメージから入る方が多いんです。似合うものがあるのか、印象がどう変わるのか不安に思われる。でも、その気持ちをポジティブに変えるのが私の役割だと思っています」。似合う1本を見つけるだけでなく、「眼鏡って楽しい」と感じてもらえる体験を届けたいという。

顔型やパーソナルカラーなどのセオリーも学び、その観点からアドバイスもできるが「眼鏡選びに正解はない」とつなかんさんは言う。大切なのはかける人の気分が盛り上がる眼鏡を選んでもらうこと。そのために好みやライフスタイルを丁寧に聞き取り、最適な1本を一緒に探すスタイルを貫いている。

復職後、大きな転機となったのは、社内で募集していた“スタッフインフルエンサー”のポジションに応募し、SNSでの活動を始めたこと。以来、店舗での業務のほかに、インスタグラムで眼鏡を合わせたコーディネートを提案したり、日常を発信したりしている。「毎日ストーリーを上げ、先月は200投稿ほど頑張りました」と語るほど熱心だ。休憩時間や出勤前後に撮影を重ね、フォロワーとの交流を通じて「また行ってみたい」と思わせる関係づくりを目指している。さらに“スタッフインフルエンサー”としての活動をきっかけに、販売員としての自己研さんと腕試しの機会を求めて、ルミネが取り組む接客スキルの認定制度「ルミネスト」の大会や、全国の販売員が集まる接客コンテスト「スタッフオブザイヤー 2025」などに参加するようになった。「ルミネスト」では、復職初年度にブロンズを獲得。3年連続ブロンズという悔しさもあり、現在はゴールド獲得を目標に掲げている。一方の「スタッフオブザイヤー 2025」では物販部門で暫定1位と躍進。10月9日に同じくアイウエアの「ジンズ」のMariさんと争う決勝戦に「応援してくれた人のために勝ちたい」と闘志を燃やす。

「お客さまと近い距離で働くのがやっぱり楽しい」と、つなかんさんは接客の楽しさを語る。今後のキャリアについてたずねると「先々にどうなりたいかという具体的なプランは今のところはありません。でも目の前にあることは全部やり遂げたい。それが自分のスタイルです」。「ゾフ」の自由で親しみやすい接客環境が、つなかんさんの持ち味を存分に発揮できる舞台になっているようだ。

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