高橋悠介代表兼クリエイティブ・ディレクターによる「シーエフシーエル(CFCL)」は、日本発のファッションブランドの中で今、最も注目すべきブランドの一つだろう。これまではBコープ認証の取得などサステナビリティの面でメディアに取り上げられることが多かったが、「CFCL」の本筋はクリエイションとビジネスを貫く高橋代表兼クリエイティブ・ディレクターのビジョンにある。
同氏は2020年にブランドを立ち上げるにあたり、モノで溢れる現代社会の中で服をさらに作る意味を考えていた。行き着いたのは、「CFCL」が存在することでファッション業界や社会が変化したと語り継がれたい、という野望だ。そこで社会性や公益性をもったブランドを設計し始める。洗練されたデザインと快適な着心地、サステナブルな生産体制が同時に成立するクリエイションに、優秀な人材が働きやすいビジネスモデルの考案。異業種出身の人材も積極的に迎え入れて、会社に多様性をもたらしている点も特筆すべきだ。
コングロマリットを相手に世界で戦おうとする野心に満ちた「CFCL」を、クリエイションとビジネスの両面から深掘る。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月2日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
設立5年で急成長、
ブランドのこれまでとこれから
日本発グローバルブランドを目指す「CFCL」の躍進は、デビュー4年目でのパリ・ファッション・ウイークのランウエイショーのほか、データからも読み解くことができる。現在の卸先数は国内と海外共に約50ずつあり、店舗数に換算すると国内約110、海外約120にまで達した。22年10月の表参道店オープンを皮切りに直営店も着々と増えており、25年5月現在で6店舗を構える。3月にグラングリーン大阪の南館1階にブランド初の路面店を開いたことは話題を呼んだ。9月にはニュウマン高輪に高輪店も開店する予定だ。
流通額が急伸
商品カテゴリーも拡大
小売ベースの流通額では、初年度の21年8月期決算と24年同時期を比較すると、国内2億円、海外1億円の計3億円から、国内20億円、海外12億円の計32億円と急伸している(1)。世界のラグジュアリーブランドの業績には遠く及ばないものの、数十年かけてそれらと勝負できる事業規模にまで育てていきたいのだという。
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