「シーエフシーエル(CFCL)」が「CFCL」らしいクリエイションを生み出せる背景には、高橋代表兼クリエイティブ・ディレクターが考える独自の世界観を社員一丸となって実現しようとする、熱量あふれる組織の存在がある。個々人の能力を引き出しつつトップの哲学などを深く学べる仕組みなどをそろえることで、モチベーションが上がっているようだ。ここでは、組織や制度を5つのポイントから読み解きたい。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月2日号からの抜粋です)
世界で戦える日本発のグローバルブランドを目指す上で、「CFCL」にはブランドの存在がファッション業界の労働環境の改善につながったり、社会が変わる一因になったりの歴史的マイルストーンを作りたい思いがあるという。社会性の高いブランドになるべく、「CFCL」は働く人にも目を向けている。
鍵を握るのが、“フェアネス(公平性)”の視点だ。他の業界では効果的に機能しているのに、一方のファッション業界ではなぜか普及していない慣習を取り入れ、勤続年数や業務内容による不必要な待遇差が生まれないよう意識。社内で多様なキャリアが生まれ、育くまれる仕組みを取り入れている。
具体的には、ファッション業界での経験の有無にかかわらずに優秀な人材を採用することで組織に多様性を与えたり(POINT1)、ライフステージの変化に対応すべく、さまざまな労働形態を作ることで社員の定着を図ったり(POINT2)、独自のストックオプション制度と現金報酬を組み合わせることで、不安定な創業期からのスタッフと会社が波に乗り始めてから働き始めた従業員の待遇是正を目指したり(POINT3)。社内の課題には「そこにフェアネスはあるか?」という視点で対応することを目指している。「本社」ではなく「オフィス」と呼称するのも、フェアネスの精神を象徴するエピソードの一つだろう。
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