メトロポリタン美術館は、2026年5月4日に開催される「メットガラ」で、ビヨンセ(Beyonce)、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)、ビーナス・ウィリアムズ(Venus Williams)らがアナ・ウィンター(Anna Wintour)とともに共同議長を務めることを発表した。ビヨンセとニコール・キッドマンは、アナ・ウィンターが主体となって毎年行うコスチューム・インスティテュートの資金調達をサポートするほか、主催委員会の他のメンバーとともにテーマ“コスチューム アート(Costume Art)”のもとイベントを盛り上げる。
実際に主催委員会のメンバーのほとんどは、過去にコスチュームを身にまとい、舞台でパフォーマンスを行ったりランウエイを歩いたりした経験を持つ。例外の一人は、今年の「メットガラ」のスポンサーでもある「サンローラン(SAINT LAURENT)」のクリエイティブディレクター、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)だ。彼には、同ブランドの広告に出演し、YSLビューティーのグローバルアンバサダーも務めた俳優ゾーイ・クラヴィッツ(Zoe Kravitz)が同席する。
主催委員会には、グラミー賞受賞者のサブリナ・カーペンター(Sabrina Carpenter)、ドージャ・キャット(Doja Cat)、サム・スミス(Sam Smith)、BLACKPINKのリサとミュージシャンのイスルト(Yseult)も参加する。そのほか、俳優のグェンドリン・クリスティー(Gwendoline Christie)、エリザベス・デビッキ(Elizabeth Debicki)、レナ・ダナム(Lena Dunham)、テヤナ・テイラー(Teyana Taylor)、モデルのアレックス・コンサニ(Alex Consani)、ローレン・ワッサー(Lauren Wasser)、パロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)、WNBA最優秀選手のエイジャ・ウィルソン(A’ja Wilson)、アーティストのアンナ・ウェイアント(Anna Weyant)らも名を連ねる。2015年にアメリカン・バレエ・シアター初のアフリカ系アメリカ人女性プリンシパルとなったミスティ・コープランド(Misty Copeland)は、先月開催した次回春のテーマ発表イベントで、自身のバレエキャリアにおけるコスチュームの重要性について語った。
来年のイベントでは、メトロポリタン美術館本館1階に新設される約1万2000平方フィート(約1100平方メートル)の常設ギャラリー「コンデ・M・ナスト・ギャラリー」がデビュー。“コスチューム アート”を初回展示として披露する。前回集まった資金については、これまでの記録を更新し3100万ドル(約48億円)を達成。2024年の2600万ドル(約40億円)を上回った。多くの著名人が集結する同イベントは、メディアやブランド、デザイナーにとっても大きなビジネスチャンスとなっており、来場するセレブリティーとの広告契約を結ぶ企業も少なくない。ファッション、ライフスタイル、ビューティー業界向けのマーケティングプラットフォームを提供するローンチメトリクス(LAUNCHMETRICS)によると、前回の「メットガラ」が生み出したメディア・インパクト・バリュー(MIV)は13億ドル(約2000億円)に達したという。
「メットガラ」は高額な投資を要するイベントで、個人チケットは7万5000ドル(約1050万円)から、テーブルは35万ドル(約4900万円)以上となる。これは、1948年11月に開催された最初のイベントとは大きく異なり、当時は約700名のゲストが1人50ドル(約7000円)で参加していた。“パーティー・オブ・ザ・イヤー”と呼ばれた同イベントは、ウォルドルフ=アストリアホテルのレインボールームで行われた。来年は、アマゾン創設者ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)とローレン・サンチェス(Lauren Sanchez Bezos)が主要スポンサーとして支援する。