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中国バイトダンス、動画「ドウイン」がECで破竹の快進撃 流通額は23年度で54兆円 好調のワケを日本市場の責任者に直撃

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ドウインECのGMV推移

中国IT大手のバイトダンスが運営する動画アプリ「ドウイン(Douyin/抖音)」ECが急速に伸びている。動画のプラットフォームとして知られる「ドウイン」だが、すでにライブコマースECのプラットフォームとしての存在感も高まっており、「ドウイン」での売上は前年同期比88%増、一昨年比で500%増の高成長を続ける。「ドウイン」運営企業のバイトダンスは非上場企業のためGMV(流通総額)を公開していないが、中国メディアによると、倍々ゲームに近いペースで成長しているという。動画による販売だけではなく、先行するアリババやJDドットコムと同様のモール型ECにも進出した。今の成長トレンドが続けば1~2年以内にJDドットコム、ピンドゥオドゥオを抜いて中国2位のECプラットフォームに躍進する可能性も高い。中国EC業界に大きな地殻変動が起きようとしている。日本・韓国のエリアマネージャーに聞いた。

2020年からEC本格スタート。21年には「越境EC」も

――「ドウインECグローバル(抖音電商全球購、Douyin EC Global)」について教えて欲しい。

黄益(ホワン・イー以下、黄):「ドウイン(Douyin/抖音)は2016年9月にローンチした中国市場向けの動画サービスだ。2023年6月時点でDAU(日間アクティブユーザー)6億人超を記録した。テスト期間を経て、2020年6月に「ドウインEC」はティア1事業部に昇格し、世界各国の事業者が中国の消費者に販売する越境EC事業は2021年のローンチした。

――「ドウインEC」が標榜するインタレストコマースとは?

黄:従来のECはユーザーが自ら検索して商品を探し出す設計になっている。また、一般的なソーシャルメディアは、基本的にフォローしたアカウントが発信、または転送(リポスト)したものに限られる。「ドウイン」も検索不要でコンテンツが届く点はソーシャルメディアと共通だが、レコメンドエンジンがコンテンツの内容を判断し、そのコンテンツを好むユーザーとマッチングする点が異なる。一般の動画、配信のコンテンツと同じフィードの中で、商品を紹介するコンテンツが配信されていく。これがインタレストコマースだ。もう一つの特徴が、商品を紹介するインフルエンサーの数だ。売り上げが発生したインフルエンサーの数は2023年には770万人以上となった。商品を紹介するライブ配信は平均で1日4億回の視聴がある(2023年)。

動画✕リコメンドエンジンが切り開いた「新型ECモデル」

――娯楽として動画視聴をしている最中に、商品販売のコンテンツが割り込まれてくるとユーザーが不満に思うのでは?

黄:インフルエンサーが商品紹介動画でユーザーの楽しさを追求する一方で、裏側のエンジンでユーザーが気になる、見たいと思う商品紹介コンテンツがレコメンドされるため、例えばそれを不快に思うユーザーに表示されにくい。ユーザーの趣味嗜好を把握してコンテンツを届けるレコメンドエンジンの精度が高いため、不満はあまり出ていないようだ。

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