ファッション
特集 アーティストに魔法をかける衣装 第9回 / 全13回

SNSが主戦場?頭角を表す超若手デザイナーたち

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SNSが主戦場?頭角を表す超若手デザイナーたち

SNSを主戦場に、自身の世界観を発信する学生デザイナーが台頭している。独創的な衣装制作でアーティストから注目を集めるもりもり、SNS戦略を駆使してブランドを展開する西脇駆。彼らに共通するのは、単なる技術や流行にとどまらない、強い表現欲求と情報発信力だ。ファッションに内在する感情や思想を、ネット空間を通じて社会と接続する新たな世代。その取り組みは、学生という枠を超えた影響力を持ち始めている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月4日号からの抜粋です)

戦略家の「デッドボーイ」現役学生デザイナー 
衣装提供は“共鳴する人”のみ

文化服装学院アパレルデザイン科の3年生として学びながら、自身のブランド「デッドボーイ(DEADBOOY)」を立ち上げた西脇駆(21)。音楽アーティストへの衣装提供、SNSを駆使した巧みなプロモーションで注目を集め、在学中にもかかわらず、その名は既に学生の枠を超えて広がりつつある。

西脇駆/「デッドボーイ」デザイナー

西脇駆/「デッドボーイ」デザイナー

PROFILE:2004年生まれ、神奈川県出身。文化服装学院アパレルデザイン科の3年時に自身のブランド「デッドボーイ」を本格始動。映像制作も手がけ、22年に第5回フェローズフィルム フェスティバル学生部門でソニーミュージック賞を受賞。同年に文化服装学院ファッション画展最優秀賞受賞。24年に日暮里ファッションデザインコンテスト東京商工会議所荒川支部会長賞受賞。文化服装学院ファッションコンテスト2024 デザイン部門で入選を果たしている

ファッションに魅了されたきっかけは、中学3年生の時に出合ったブランド「ナインティナインパーセントイズ(99%IS)」。その強烈なデザインに衝撃を受け、「自分もこんな服を作りたい」と文化服装学院への進学を決意した。

昨年立ち上げた「デッドボーイ」では、年に1度のコレクション発表を目標に掲げている。今年3月には学内選考を勝ち抜き、初のランウエイショーを披露。アメリカのホラー映画を題材に、ダメージ加工やコンピューターニット、自身のイラストを生成AIに読み込ませて制作したグラフィックなど、斬新なデザインで高い評価を得た。

当初はSNSのフォロワーも少なかったというが、その状況を一変させたのが、TikTokとThreadsの活用だった。ショーをきっかけにTikTokでは広告を打ち、積極的に投資。Threadsでは、2枚の写真に「Made by Me(私が作りました)」という文面を添えると海外ユーザーに響きやすく、海外の時差を考慮して投稿するとバズりやすいと分析。ハッシュタグは「下手に出ている感じがする」という理由から使わない。マーケティング戦略には目を見張るものがある。

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