ファッション

停滞していた「バンヤードストーム」、24年春の刷新で浮上 スタイリング提案に支持

6月3日号の「WWDJAPAN」で、アダストリア特集を担当した。コロナ禍以降波に乗り、2024年2月期に過去最高業績を更新した同社の好調の秘訣を深掘りしたが、特集テーマとしたのは同社幹部が自社の強みとしてよく口にする“修正力”だ。走りながら軌道修正を繰り返し、市場のニーズに合致させていく柔軟性、スピード感などを指している。そんな同社の“修正力”が目下発揮されているのが、子会社エレメントルールが運営するブランド「バンヤードストーム(BARNYARDSTORM)」(以下、バンヤード)。近年低迷が続いてきたが、24年春からリブランディングを進め、既に結果が出つつあるという。

「バンヤード」は雑誌「ヴェリィ(VERY)」とのコラボレーションブランドとして、09年にスタート。「ヴェリィ」がけん引するおしゃれなママファッションブームの中で成長した。現在は百貨店やファッションビルに32店を構え、エレメントルールの売り上げの4割弱を占める基幹ブランドになっている。同社ではいま、18年に開始した「カレンソロジー(CURENSOLOGY)」が絶好調というが、屋台骨である「バンヤード」が復調しない限りエレメントルールの業績も安定しづらい。実際、「バンヤード」の苦戦が響いてエレメントルールの24年2月期は赤字、「バンヤード」のテコ入れが課題となっていた。

24年春からの刷新に合わせ、エレメントルールの坂本貴之 執行役員営業本部長が同ブランドの事業部長も兼任、企画チームも変更した。「前年が停滞していたというのはもちろんあるが、今春夏の既存店売り上げは前年に対し2ケタの伸びで、計画以上の推移」(坂本執行役員)という。

セットアップでトータルコーデ提案

浮上した要因は、従来の単品売り中心の考え方から、雑貨を含めたスタイリング提案強化に舵を切ったこと。特に、長らく主力品番になっているジョガーパンツ(1万3200円)を軸にしたスタイリング提案が効いているという。同商品は通勤にも使えるきれいめのデザインながら、子どもの送り迎えのために自転車に乗った際なども動きやすく機能性が高いという打ち出しで、「ヴェリィ」ブームのころから支持され続けてきた。「もともとは、スエットやスニーカーといったカジュアルのイメージが強かったが、ジャケットなども企画し、トータルコーディネートで見せるように変えた」。

24年秋は、アスレチックとシックを組み合わせた造語“アスレシック”がテーマ。スタイリング提案強化の一環として、セットアップをバリエーション豊富にそろえ、テーラードジャケットとパンツのベーシックなスタイルだけでなく、デニムのフリルシャツとデニムのセンタークリースパンツ、ニットパーカとニットパンツなども企画した。パーカのサイドにスリットを入れて、中に合わせたシャツをチラ見せできるようにしたり、ベーシックなカーディガンはボタンの留め位置を変えるとカシュクール風になったりと、細部のデザインにも気を配った。

ラメニットやドレッシーなブラウスなど、やや華やかな場にも対応できるアイテムも拡大。ブランドの幅を広げて、新規客の取り込みを進めている。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

“個”が主役の百貨店特集2024【WWDJAPAN BEAUTY付録:2023年度世界のビューティ企業TOP100】

7月22日号の「WWDJAPAN」は百貨店特集。 個人の価値観が多様化し、コロナを経てオンライン消費がますます浸透しました。百貨店という業態の存在意義すら問われる中、それでも人が集まる店の条件とは何か。決め手は、品ぞろえでも立地でもなく、情熱と個性を持った“人”の存在。百貨店が元々持っていた強みに光を当てたり、その枠を超えて新分野を開拓したりと、編集力やアイデアを駆使して売り場を面白くしようとする…

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