ファッション

アデライデの長谷川ディレクターに聞く、今季のパリコレ

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 セレクトショップのアデライデ(ADELAIDE)と姉妹店のアディッション アデライデ(ADDITION ADERAIDE)の長谷川左希子マネジング・ディレクターが、買い付けや打ち合わせのため、3月1〜9日にヨーロッパ入りした。コロナ禍で渡航を控える日本人が多い中、彼女はコロナの水際対策措置緩和の可能性が出てきた2月末に渡航を決定。帰国後のホテル隔離を防ぐために急遽3回目のワクチンを接種し、ワクチンパスポートを取得して出発した。ロシアのウクライナ侵攻にも揺れたパリ・ファッション・ウイークについて、長谷川ディレクターに話を聞いた。(この記事はWWDジャパン2022年3月21日号からの抜粋です)

WWD:渡航の目的と各都市の雰囲気は?

長谷川左希子アデライデ、アディッション アデライデ マネジング・ディレクター(以下、長谷川):アデライデの買い付けやザ・ウォールが扱うブランドとの打ち合わせのため、仏パリに入り、マーケティング会社のクライアントに会うために英ロンドンにも行った。出発した翌日には、日本−フランスの航空便が欠航したのでパリ入りできたのは奇跡。パリではあまり買い物をしている人を見かけなかったが、ロンドンの百貨店は多くの買い物客でにぎわっていた。

WWD:パリで見たショーは?

長谷川:バレンシアガ(BALENCIAGA)」「VTMNTS」「コペルニ(COPERNI)」「ロク(ROKH)」「クレージュ(COURREGES)」など。ウクライナ情勢で、パリコレ期間中ずっと不安だった。ショー前の時間も、来場者は皆、スマートフォンでウクライナ情勢の動画を見ているなど普段とは全く違う光景だった。

感慨深かった「バレンシアガ」の社会情勢とリンクしたエモーショナルなショー

WWD:その中で印象に残ったのは?

長谷川:もちろん、「バレンシアガ」。デザイナーのデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)はジョージア出身で、ロシアとの紛争で母国から逃れてきた“永遠の難民”ということもあり、どのようなショーになるのか複雑な気持ちだった。真っ暗な会場の真ん中にはガラス張りのドーム状の空間があり、既に冷たく暗い雰囲気が漂っていた。客席に置かれたウクライナ国旗カラーのTシャツとコレクションノートには 「このコレクションを、恐れずに抵抗し続けること、そして愛と平和の勝利にささげる」というデムナのメッセージがつづられていた。ゴミ袋のような大荷物を担いで吹雪の中を歩くモデルの姿はどこか、国を追われるウクライナの国民とリンクして悲しい気持ちになった。

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