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1番じゃなきゃダメですか? エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年12月11日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

1番じゃなきゃダメですか?

 「異業種と交流せよ!」。︎

 そう声高に叫ぶのは、僕自身が異業種のプロと交流して、刺激をビンビン得ているからに他なりません。週刊紙の「WWDジャパン」では、2人の建築家と商業施設を見て回り、僕がテナントなどのミクロな情報を伝えながら、彼らには施設自体の設計などのマクロを語ってもらう「建築家探訪」連載を担当していますが、その取材が面白いのなんのって。ちなみに来週は、渋谷スクランブルと渋谷パルコ。個性的テナントの集合体では高評価な渋谷パルコを、設計の観点から語るとこんな鉄槌が下るとは!と目からウロコ!でも納得です。ご期待ください。

 そんな2人の建築家は、事あるごとに同じ言葉を呟きます。何度も言っているから、よほど強く思っているのでしょう。「みんなが1番を目指しているから、結果つまらなくなっている」という、禅問答みたいなフレーズです。皆、特にオープンラッシュの商業施設が同じ価値観に従って1番を目指すと、結局、全部同じになっちゃうからツマンナイ、というのです。

 たしかに!近年その傾向は増すばかりで、どの商業施設にも似たり寄ったりのブランド。こんな時商業施設は、「関東初」とか「新業態」と名乗ることで無理やりニュースに仕立てようと画策するし、われわれもそれに乗ってきちゃったフシがありますが、「そんなに珍しいか?」とか「そんなに新しいの?」と思わずにはいられません。結果、1度行けば満足で、再訪の日はやって来ない。そんな商業施設、多いですよね。2人の建築家は、その根本的な原因を「皆が1番を目指すからだ」と斬って捨てます。爽快です(ちなみに異業種と交流するのは、遠慮がないからでもありますw)。

 でもコレ、商業施設だけの話じゃないですよね。テックの世界も「効率だけを考えてAIを入れちゃうと、みんな同じになってしまう」と危機感を抱き、そもそもの判断基準“先生データ”の設定に苦心しています。ファッション&ビューティの世界も、生真面目な私たちは同じ方向を向きながら「1番」を目指してしまいがち。ここで真反対を向けたら、その時点で「1番」なんですけれどね(笑)。

 振り返れば去年くらいまでは、僕もFASHIONSNAP.COMを強く意識していましたが「競合」と捉えなくなって「1番」の呪縛から解放されたら、やりたいことが、やりたいようにやれて、心地よくなりました。そして、以降のサイトは指標が飛躍的に伸びました。

 アナタが目指している「1番」。本当に目指す価値はあるのか?再考しても良いのかもしれませんよ。

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