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新型コロナで加速する「デジタル・カウンセリング」、海外化粧品ブランドの事例

 技術の進化に伴い注目を集めているデジタルカウンセリング。パーフェクトの「ユーカムメイク(YOUCAM MAKEUP)」やロレアル(L'OREAL)傘下の「モディフェイス(MODI FACE)」などといったバーチャルメイクアップサービスは、比較的早い段階からEC販売のツールとして活用されてきた。その一方で、ウエブ上のスキンケアカウンセリングは自身の肌質や悩みなどを選択するとそれに見合った製品が表示されるチャート式が大半だ。AIによるチャットボットも質問の傾向によって回答を提示するものが多くを占めルため、マシンを使いながら美容部員がこまやかに肌チェックを行うサービスは店頭で行う“特別な体験”の意味合いが強かった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により世界の都市ではロックダウンが行われ店舗は閉鎖。製品販売の窓口がオンラインに限られた結果、スキンケアカウンセリングも主戦場をデジタルに移し、大きな変化を見せている。

 この数カ月各国で増えたのは、オンラインでの“人による接客”だ。店舗休業により待機を余儀なくされている美容部員を生かすことができるほか、お客の漠然とした悩みに寄り添いピンポイントで答えを導き出すことで、購買へもつながりやすくなっているという。

 「クラランス(CLARINS)」が米国や英国などでスタートした「クラランス アンド ミー(CLARINS AND ME)」は、美容部員や教育チーム、メイクアップアーティストがパーソナルカウンセリングを行うサービスだ。顧客はボディーケアやフェイスリフト、肌の悩みなどといった目的に合わせてコースを選択し、希望の日時を予約して15〜30分間のパーソナルカウンセリングを受ける。このサービスをスタートさせてからスキンケアやボディーケアなどの製品は売り上げが好調で、肌を引き締めるパック「トータルVラップ」の売り上げは昨年と比較し5000%アップしているという。

 「ザ オーディナリー(THE ORDINARY)」などを擁するカナダ発のデシエムも、バーチャルショッピングサービスアプリ「ヒーロー(HERO)」と協業し、販売とビデオ通話もしくはチャット機能を活用したカウンセリングを実施。店舗休業でも売り上げを伸ばし、330人いる販売員に給料を払い続けることが可能になった。そのほか、ミレニアル世代に人気の「グロシエ(GLOSSIER)」もインスタグラム上でのレッスンを強化したほかバーチャルカウンセリングをしたところ、すぐに予約で埋まった。セレブリティーに支持されるドイツ発のクリニックから生まれた「ドクターバーバラシュトルム(DR.BARBARA STURM)」も、スマートフォンアプリのフェイスタイムを活用した20分間のバーチャルカウンセリングを導入。豪州最大のコスメセレクト店「メッカ(MECCA)」もフェイスタイムを利用し、メイクアップ、スキンケアのほか、フレグランスのコンサルもオンラインで行い、休業中の店舗内にある製品を案内している。

 また、米国発の「ダーマロジカ(DERMALOGICA)」も、スキンセラピストとの15分間のビデオコンサルティングのほか、インスタグラムでのレッスンをスタートし順調に売り上げを伸ばしている。ローレン・コンシグリオ(Lauren Consiglio)=「ダーマロジカ」USマーケティング&グローバルプログラムバイスレジデントは「カウンセリングは大きな役割を果たしている。カウンセリングなしでの購入率は4.3%ほどだが、スキンセラピストと話したお客の購入率は19%。カウンセリングを受けたお客の単価も高く、1〜4月の売り上げは前年同期比で158%増だった。こういったデジタルの流れは、ポストコロナも続くと思う。このパンデミックで消費者は新しい消費習慣を身につけており、コロナ収束後もデジタルコンテンツを消費したいと思うだろう」とコメント。「消費者は常に、製品やサービスに対して好奇心を抱いている。このようなデジタル上でのコミュニケーションは、店舗やサロンへの送客にもつながると思う」と、店舗での相乗効果を期待を寄せている。

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