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「カルティエ」を擁するリシュモン、19年上期も増収 日本は増税前の駆け込みで21%増

 コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)の2019年4~9月期決算は、売上高が前年同期比8.6%増の73億9700万ユーロ(約8876億円)、純利益は同61.4%減の8億6900万ユーロ(約1042億円)と増収減益だった。ただし、純利益の大幅減は主に大手EC企業ユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP)を完全子会社化する前から保有していた同社株式の再評価によって18年上期に税引き後の含み益が13億7800万ユーロ(約1653億円)発生したためで、その分を除けばほぼ前年同期並みとなっている。

 地域別での売上高を見ると、ヨーロッパはフランスやスイスで中国人観光客が減少したものの、イギリスが2ケタ成長を記録したため同7.2%増の22億2100万ユーロ(約2665億円)となった。南北アメリカは北米が好調で同11.0%増の13億4700万ユーロ(約1616億円)だった。日本を除くアジア太平洋地域では、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例に抗議する大規模なデモが長期にわたって発生している香港での売り上げが2ケタ減となったが、中国と韓国で2ケタ成長となったため、地域全体では同7.1%増の27億2900万ユーロ(約3274億円)だった。日本は10月1日に施行された消費税増税前の駆け込み需要が寄与し、同21.1%増の6億4700万ユーロ(約776億円)となった。なお、現地通貨ベースでは同13%増だった。

 部門別では、ジュエリー部門の「カルティエ(CARTIER)」や「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」が引き続き好調で、売上高は同8.1%増の37億3600万ユーロ(約4483億円)と業績に貢献した。一方で、ウオッチ部門は香港でのデモの影響のため、同1.0%増の15億6700万ユーロ(約1880億円)とほぼ横ばいにとどまった。

 ヨハン・ルパート(Johann Rupert)=リシュモン会長は、「地政学上の問題による緊張感が世界を包んでおり、消費者の購買意欲に影響した。こうした出来事はわれわれの手が及ばない部分だが、最善を尽くした。また長期的な事業成長のため、引き続き傘下メゾンへの投資を行った」と語った。

 ブルクハルト・グランド(Burkhart Grund)=リシュモン最高財務責任者は、「香港は当社にとって重要な市場だ。現在は難しい局面にあるが、過去にそうしたことがあったときと同様に乗り越えていきたい。そのため、店舗の家主と賃料引き下げの交渉を始めたところだ」と述べた。