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ミラノはますますドタバタ日記Vol.3 「ヴェルサーチェ」ジャングルドレスのジェニファー・ロペスVS「マルニ」花の戦士

 ミラノ・コレクションは3日目。本日は、バッグやシューズブランドのプレゼンテーションがてんこ盛り。「WWDジャパン」は3人体制でミラノ・コレクションを取材していますが、本日は3人がほとんど別行動。移動がちょっぴり寂しい1日です(笑)。

9:55 トッズ

 ということで、本日最初は「トッズ(TOD’S)」。

 ファッション週刊紙「WWDジャパン」は月曜発売の最新号で2020年春夏ニューヨーク・コレクションをレポートしていますが、特に注目したのは「タイムレス」という価値観。「タイムレス=いつでも、どこでも、誰でも、長く着られる洋服」と定義し、「それが一番、サステイナブルなんじゃない?」と考えるNYデザイナーの考え方とクリエイションに迫りました。

 というワケで「タイムレス」が気になる今日この頃。「イタリアン タイムレス」と銘打った「トッズ」のコレクションに、共感しないハズがありません。

 ファーストルックは、コレ。間違いないですね(笑)。ずっと着られます。裾と袖をリブにしたブルゾン、クリーンな白シャツ&チノのキュロット、ピカピカレザーのコインローファーに、(写真では見えないけれど)レトロなショルダーバッグ。大事に使えば10年後だってヘビロテアイテムでしょう。バッグとシューズが主力で、ウエアは「アクセサリーに合わせやすいアイテムを」というアプローチの「トッズ」。クリエイティブ・ディレクター不在の今、そして世界中の人々が「賢い消費」、お金も地球も大事に考えながら買い物する今は、コレが「トッズ」らしいと思うのです。

11:00 ブルマリン

 お次は「ブルマリン(BLUMARINE)」。バラが咲き乱れる“ラブい”ランウエイに登場するのは、同じくバラが百花繚乱状態のシフォンのドレス。胸元や腰元にあしらったコサージュは異様にデカく、「ラブ注入(←古い表現でスミマセンw)」度合いハンパなしです。「ブルマリン」を筆頭に「アルベルタ フェレッティ(ALBERTA FERRETTI)」など、イタリアには「女性に生まれて良かった!!」という気分を堪能させてくれるブランドが多く、特に現地では絶大な支持を誇っています。ピンクのネグリジェドレス、ポピーが咲き乱れるジャケット&パンツ、総スパンコールのワンショルダートップスとキュロットなどは、そんな女性のテンションを確実にアップさせるのでしょう。

 にしても、コチラもおっぱい、見えすぎです。ちょっとイロイロ考えちゃいます。ということでこの問題については、別の記事で思うところを書いてみよう。

11:30 プラン C & アリータ

 お次は、「プラン C(PLAN C)」と「アリータ(ALIITA)」。それぞれ「マルニ(MARNI)」の創業者コンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)の娘と、義理の娘が手掛けるウエア&アクセサリーブランドです。ちなみに、2人ともモノ凄くいい人。コンスエロの教育が良いのでしょうか(笑)?

 「プラン C」は、ワークやスポーツウエアをドレスと大胆ミックス。モチーフもフローラルとストライプ、そしてチェックが入り乱れます。全体の印象は「カワイイ!!」。でも実はそのカワイイを、大胆不敵かつ勇敢なハイブリッドで生み出すのが、カスティリオーニ家のアプローチです(笑)。

 「アリータ」は、海の世界。リングに“ちょこん”と乗っかるカニはサンゴでできています。「リゾートですか?」と思ってシンシア・ヴィルチェス・カスティリオーニ(Cynthia Vilchez Castiglioni)に話を聞くと、「海は、一人になれる場所。周りから姿を消し、自分だけの秘密の生活ができるでしょ」と、コチラもクリエイションはカワイイのに、ミステリアスな世界観(笑)。一筋縄じゃいきませんね。

 お土産の水中マスク(なぜw?)姿で、ドレッシーな海女さんモデルと記念撮影して帰りました(笑)。

12:05 ロロ・ピアーナ

 最高級の素材と戯れる「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」は、高密度ゆえシワになりにくいシルクリネン、独自の防水技術レインシステム搭載生地を貼り合わせたスエード、コットンの周りにシルクを絡めたというシルクコットンなど、もちろん、とろけるカシミアと半端ないクオリティー。砂漠色に染め、ポンチョやアノラック、カフタンドレスなど、素材の肌触りが提供する心地良さを、損ねないどころか倍増してくれそうなリラックスウエアを提案します。

 「エルメス(HERMES)」「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」含め、この手のブランドの洋服には、自然と手が伸びるものです。「滅多にないチャンスなんだから、触っとかないと!!」、そんな気持ちにさせられるからです。「ロロ・ピアーナ」でも、カシミアコートを触りながら、PRの方と無言でうなずき合ってしまう。このコミュニケーション、なんでしょう(笑)?

12:55 スポーツマックス

 「スポーツマックス(SPORTMAX)」は、マリン。マリンストライプこそ登場しませんが、ネイビー、フィッシャーマンズセーター、Pコート、マリンキャスケットなどが、広大な海の開放感、“勝手に船長さん”気分を盛り上げます。そこに加えたのは、レザーで作ったカフスやラペルなど。ネイビーのカフタンドレスに、コニャック色のレザーアクセサリー。面白いコントラストです。

13:45 フェンディ

 「フェンディ(FENDI)」の展示会を10分で駆け抜けます!!シルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)体制となり、キッチュなムードが増したアクセサリーなどをパシャパシャ。すでに長年クリエイションの陣頭指揮を執ってきたメンズでは、「天気が良いから、公園でサボっちゃった男性」とか「めちゃくちゃ暑いけど、スーツを着なくちゃいけない可哀想なサラリーマン」なんて、面白いけど「いるいる!!」な男性像を思い描き、微笑ましいコレクションを生み出しているシルヴィア。ウィメンズもそうなっていきそうです。

 ちなみに先日、“オフトゥンドレス”と紹介した、このドレス。本当に“ベッドマットドレス”と呼ぶそうです(笑)。

14:30 エトロ

 「エトロ(ETRO)」は、安定感漂うボヘミアン。ペイズリーはもちろんですが、アースカラー、ポンチョ、マタドール風のショートベスト、それにメダリオンベルトを見ると、「『エトロ』だなぁ」と当たり前の感想が口に漏れますが(笑)、考えてみれば、このアイテム、そして組み合わせを見るだけでブランド像が瞬時に蘇るっていうのは、スゴいコトです。

 今シーズンは、そんなボヘミアンがフリルの力を借りて、ちょっと色っぽくなりました。ジャケットのVゾーンからフリルが溢れんばかりのフォーマル。エトロらしい2020年春夏です。

15:35 マルニ

 フランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)の「マルニ(MARNI)」は、6月のメンズが第1章なら、今回のウィメンズは第2章。まず会場では、メンズのとき、天井の漁網の上に転がっていた海のゴミのペットボトルを再利用。葉っぱにして、ジャングルなムードを演出します。

 そこに飛び出したモデルは、まるで蕾(つぼみ)や球根のような球体のシルエットだったり、満開の花のようなボリュームシルエットだったりのドレス姿。ほぼ全てのドレスには1点モノのハンドペイントが施されます。ヘアスタイルは、普段なら「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」くらいしかバックステージを手掛けないジュリアン・ディス(Julien D'ys)が担当。フランチェスコが、口説き落としました。

 6月のメンズでフランチェスコは、「いよいよ地球がヤバい。今こそ、革命が必要だ」と考え、1960年代の若き革命家エルネスト・チェ・ゲバラ(Ernesto Che Guevara)を現代に蘇らせました。「今回のウィメンズは、革命後の理想郷?」。そう思ってバックステージでフランチェスコに話を聞くと、「メンズのチェは、戦士。今回のウィメンズも、“花の戦士”。内側から力と美をバクハツさせるんだよ」と教えてくれます。なるほど、やはり今は、男女ともに戦わなくてはダメな時代なのですね。まだ30代の若きデザイナーが、これほどまでに真剣に地球に向き合っていること、感銘を受けます。

16:30 ボッテガ・ヴェネタ

 昨日、ショーを拝見した「ボッテガ・ヴェネタ」の展示会へ。ここでは、バッグ&シューズの写真をたくさんアップしたいと思います。

20:30 ヴェルサーチェ

 この間は、会えるハズだった方に会えなかったり(泣)、など生産性の低い時間を過ごしまして、今日のラストは「ヴェルサーチェ(VERSACE)」!!イケイケブランドらしく、ジャケットはおろか、シャツにまでがっつり肩パッドを入れたパワフル&セクシーフォーマルで幕開けです。ゴールドのボタン、細いベストを使ったウエストマーク、大きなコサージュのブローチに彩られたフォーマルは、徐々にグリーンへと変化。気づくと、ジャングルプリントのドレス祭りとなっていました。

 パレード・オブ・ジャングルドレスと化したランウエイショーのBGMは、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)の「LOVE DON’T COST A THING」。これは、かつてのグラミー賞授賞式で「ヴェルサーチェ」のジャングルドレスを着用したジェニファーが、あまりにセクシーだったことに由来しています。当時ジェニファーのドレスは、「あれは一体、どこのブランド?」と世界中でGoogle検索されました。

 なんて思い出に浸ろうとしたら、会場は突然暗転。「OK、Google。本物のジャングルドレスを着たのは、誰?」なんて音声が流れます。ま、まさか〜。

 でた〜。モノホンです。J.Loです(笑)。セクシー・ダイナマイツです!!

 ここで会場は、今回のミラノで一番大盛りあがり。フロントローの人までもがスタンディングで、ジャングルプリントのシフォンをヒラヒラ、腰をクネクネ、目線バチバチのジェニファーを動画で収め始めます。

 コーフン!!ミラノ3日目は、こうして幕を閉じました。

 会場からの帰り道は、もちろんJ.Lo。彼女ばりに堂々とウォーキングして、ホテルに戻りました(笑)。