フォーカス

「“モード”は高い位置にある神聖なもの」by久保光博「グレイト」オーナーバイヤー 連載「モードって何?」Vol.8

【#モードって何?】きっかけは読者から編集部に届いた質問「つまるところ、モードって何ですか?」だった。この素朴な疑問に答えを出すべく、「WWD ジャパン」9月16日号では特集「モードって何?」を企画し、デザイナーやバイヤー、経営者、学者など約30人にこの質問を投げかけた。答えは予想以上に多岐にわたり、各人のファッションに対する姿勢や思い、さらには現代社会とファッションの関係をも浮き彫りにするものとなっている。本ウエブ連載ではその一部を紹介。今回は久保光博「グレイト(GR8)」オーナーバイヤーに聞く。

WWD:“モード”とは何でしょうか?

久保光博「グレイト」オーナーバイヤー(以下、久保):僕は1975年生まれ。この業界に入るきっかけが、“モード”と言われるにふさわしい「マサキマツシマ(MASAKI MATSUSHIMA)」で、大好きだった。そこから入ったから“モードとは”の答えは明白で、キャットウオークで見せる、きちんとデザインされた服。アバンギャルドであることが大前提で“、どこに袖がついているの?”と思うジャケットや、極端に長いコートなんかをイメージする。古着のインスピレーションや要素があるものは僕にとってはモードにはなり得ない。

でも“モード”の捉え方は世代によって異なると思うし、今で言う“モード”は僕が言う“モード”とは様変わりしている。ショーで見せる服と実売は常に隣り合わせで、見せる服から着る服に変貌している。僕にとって“モード”は高い位置にある神聖なもの、という解釈なんです。今回質問に答えたいと思ったのは、改めて「グレイト」の品ぞろえを僕が言うところの“モード”にしたい、もっと強くしたいと思っているから。今の品ぞろえは、全然カジュアルです。もう少し艶感のあるモノに寄せたいし“、お前それ着てどこ行くの?”みたいな服を増やしたい。そこを掘っていくと、最近はロンドンのブランドや中国系のデザイナーが目に留まる。モードな服を買っていくのも日本人より断然中国人。その存在は心強い。

WWD:“モード”を体現しているブランド、クリエイターは?

久保:「ナジール マザー(NASIR MAZHAR)」、イサマヤ・フレンチ(Isamaya Ffrench)、ザンダー・ゾウ(Xander Zhou)、ディ・ドゥ。「ナジール マザー」は以前扱っていたが、今は卸売りをやめて舞台衣装などを作っている。これぞモードだよね、という服を作っている。

「#モードって何?」をもっと見る