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「ザラ」の親会社、19年上期も増収増益 店舗数は2店減

 「ザラ(ZARA)」「ベルシュカ(BERSHKA)」などを擁するインディテックス(INDITEX)の2019年2~7月期決算は、売上高が前年同期比6.6%増の128億2000万ユーロ(約1兆4999億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)が同47.1%増の34億4700万ユーロ(約4032億円)、純利益が同10.0%増の15億5300万ユーロ(約1817億円)の増収増益だった。

 ブランド別の売上高では、「ザラ」(「ザラ ホーム(ZARA HOME)」を含む)が同7.2%増の88億9500万ユーロ(約1兆407億円)、「ベルシュカ」が同3.3%増の10億8000万ユーロ(約1263億円)、「ストラディバリウス(STRADIVARIUS)」が同12.4%増の7億7600万ユーロ(約907億円)だった。日本未上陸の「プル&ベアー(PULL & BEAR)」「オイショ(OYSHO)」「マッシモ デュッティ(MASSIMO DUTTI)」「ウテルケ(UTERQUE)」などを含め、全てのブランドで増収となった。

 同社は20年までに世界中のどこからでも傘下全ブランドの製品をECで購入可能にする計画を公表しており、19年上期はブラジル、アラブ首長国連邦、レバノン、エジプト、モロッコ、インドネシア、セルビア、イスラエルでECサイトをオープンした。実店舗も31の市場で新規開店したが、前年度と比べて2店減り、上半期末で7420店を運営している。なお、「ザラ ホーム」とキッズコレクションを扱う店舗に来年から導入される、白で統一されたモダンですっきりとした新デザインも発表された。このように事業を拡大しつつも、営業費用は同14.2%減の38億2300万ユーロ(約4472億円)に縮小されていることも増益に寄与した。

 パブロ・イスラ(Pablo Isla)会長は、「実店舗とオンラインストアを非常に高いレベルで統合し、シームレスに機能させていることが奏功した」とアナリスト向けのオンライン会議で語った。

 カルロス・クレスポ(Carlos Crespo)最高経営責任者(CEO)は、「店舗を統廃合しつつ全体としては事業を拡充するなど、戦略をハイレベルかつ正確に実践してきた結果だ」と述べた。以前は最高執行責任者を務めていた同氏はイスラ会長によって新CEOに指名され、7月に同職に就任した。これに伴い、CEO職も兼任していたイスラ会長は会長職に専念している。

 インディテックスはサステイナビリティーにも熱心に取り組んでおり、15年にスタートした環境に配慮したラインの“ジョイン ライフ(JOIN LIFE)”は、生産工程での水やエネルギーの使用量を削減することを目的に、オーガニックコットンや再生ポリエステル、再生セルロース繊維の一つであるテンセル・リヨセルなどの持続可能な素材から作られている。現在、同社の傘下ブランドでは製品のおよそ20%がそうした持続可能な素材で作られており、20年にはそれが25%に、25年までには100%に達するという。また出荷や配送に使用される箱は全て再生段ボールで作られているほか、プラスチック製のレジ袋も順次紙製に切り替えられている。

 こうした環境への配慮を中国にある店舗でも推進するべく、イスラ会長は最近、チェン・ジーニン(Chen Jining)北京市長と会談している。

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