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「ディオール」が山中教授のiPS細胞研究所とタッグ エイジングケアにまつわる幹細胞研究を開始

 「ディオール(DIOR)」の研究開発施設であるLVMHリサーチは12日、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥・京都大学教授が所長を務めるiPS細胞研究所(以下、CiRA)との共同研究を開始した。加齢による幹細胞の変化を研究する。

 LVMHリサーチはこれまでにもエイジングケアにまつわる多くの新知見と学術論文を発表してきた。特に幹細胞研究は1999年から行っており、これまでもフランス国立保健医学研究所やスタンフォード大学などと共同で研究してきた。これまで行ってきた研究と、CiRAが行う幹細胞研究と開発技術に親和性が高いことから、パートナーシップを締結した。なお、CIRAが海外の化粧品メーカーと共同研究を行うのは初めて。

 研究ではCiRA未来生命科学開拓部門のクヌート・ウォルツェン(Knut Woltjen)准教授が率いる研究室が、高齢で健常者のドナーの細胞を由来としたiPS細胞や、ゲノム編集技術のノウハウをLVMHセンターに提供するなど、両機関の研究成果などを共有し合い、未知の分野が多い皮膚科学領域で、加齢や紫外線、有害物質などによる肌の老化現象の研究を進める。クヌート准教授は「われわれは臓器としての皮膚、特に表皮に興味を持っており研究を続けているが、LVMHリサーチの貴重な研究成果を共有してもらい、内容に重複しているところがあると感じた」とコメント。

 ブリューノ・バヴーゼ(Bruno Bavouzet)LVMHパフューム&コスメティックス 研究開発ディレクターは「われわれの研究所はフランスのほか、アジアにも研究所を設立しており、日本でも優秀な技術者とともに素晴らしい製品を開発してきた。今回、以前から力を入れている幹細胞研究について、世界的な研究期間であるCiRAとともに行うことができるのは光栄」と語った。

 パートナーシップの期間は未定。ブリューノディレクターは「最終的には新しい技術を用いた製品を作ることになるが、まずは先進的な研究を行うことが第一。加齢のメカニズムをより良く理解し、論文発表などで共有し、皮膚科学を進化させる」と述べた。

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