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アマゾン、インド攻略のため次なる一手 小売りチェーン最大手の少数株式取得か

 アマゾン(AMAZON)がインドの小売りチェーン最大手リライアンス・リテール(RELIANCE RETAIL、以下リライアンス)の株式26%の取得を目指し協議していると印「エコノミック・タイムズ(THE ECONOMIC TIMES)」紙が報じた。リライアンスへの同紙のインタビューによれば、中国EC最大手アリババ(ALIBABA)との出資交渉決裂が表面化したときから両社の提携に関する話し合いが始まったという。

 アマゾンは今回の交渉確認を拒否したが、リライアンスはアマゾンが同社の少数株主となり、オムニチャネルパートナーとしてリライアンスのマーケットプレイスを通じたブランドの活用や実店舗の有効利用を希望していると同紙に明かした。アマゾンの対応は今年2月にインドで施行された新たな対外直接投資(FDI)の規範順守を気にしてのことだという。FDIではアマゾンのような小売りプラットフォームが出店社の26%以上の株式を保有するべきではないとしており、リライアンス社幹部は違反行為があれば今回のような協議は事実上禁止になるだろうと語った。

 現在インドにはいくつかのeコマース大手があるものの、小売りの中でオンライン取引が占める割合はわずか3%のみで、国民の多くはいまだ利便性の高い近隣店舗に足を運んでいる。アマゾンにとってインドで実店舗ビジネスに参入することは戦略的な動きだ。

 リライアンスは今年6月時点で売店やスーパー、現金問屋、専門店、オンラインストアなど国内6700以上の都市でファッション、ライフスタイル、食料品関連のチェーンを1万644店舗運営しており、都市や街中に店舗を広げることで「多種多様なカテゴリーの商品とサービスへのアクセスをインドの消費者にもたらした」とされている。

 デロイト インド(DELOITTE INDIA)とインド小売協会の調査によれば、インドのeコマース市場は2021年までに、17年の240億ドル(約2兆5440億円)からほぼ4倍の840億ドル(約8兆9040円)規模に成長するという。米小売大手ウォルマート(WALMART)は昨年8月にインドの eコマース大手フリップカート(FLIPKART)の株式77%を取得し、イーベイ(eBay)は7月に同国の電子決済システム主要企業のペイティーエム(PAYTM)が運営するマーケットプレイス「ペイティーエム モール(PAYTM MALL)」とのパートナーシップを通じて同国でのオンライン事業に参入している。

大根田杏(Anzu Oneda):1992年東京生まれ。横浜国立大学在学中にスウェーデンへ1年交換留学、その後「WWD ジャパン」でインターンを経験し、ファッション系PR会社に入社。編集&PRコミュニケーションとして日本企業の海外PR戦略立案や編集・制作、海外ブランドの日本進出サポート、メディア事業の立ち上げ・取材・執筆などを担当。現在はフリーランスでファッション・ビューティ・ライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を行う。