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戦略転換中のカルバン・クラインに新CEO ラフの後任はどうなる?

 PVHコープ(PVH CORP以下、PVH)が擁するカルバン・クライン(CALVIN KLEIN)のスティーブ・シフマン(Steve Shiffman)最高経営責任者(CEO)が6月10日付で退任した。新CEOには、北米事業のカルバン・クライン・ノースアメリカ(CALVIN KLEIN NORTH AMERICA)やアンダーウエア事業を率いてきたシェリル・アベル・ホッジズ(Cheryl Abel-Hodges)社長が同日付で就任した。

 エマニュエル・キリコ(Emanuel Chirico)PVH会長兼CEOは、「グローバルなブランドを経営する難しさの一つは、ヨーロッパやアジアなど世界中に散らばっている各チームをいかにまとめ上げるかにある。シェリルは優れたリーダーであり、そうした能力が抜きん出ている」と任命の理由を語った。

 アベル・ホッジズ=カルバン・クライン新CEOは、「私は社員がそれぞれ意見や決定権を持った、ダイナミックな組織を好む。一人ひとりが得意分野を生かして業績に貢献し、当社のカルチャーを育てていけるようにしたい。オープンにコミュニケーションを取り合い、失敗を恐れずに新しいことにチャレンジできる環境づくりに努めていく」と抱負を述べた。同氏は2015年にアンダーウエア事業の社長に就任。18年からはカルバン・クライン・ノースアメリカの社長も兼任していた。それ以前には、同じくPVH傘下のスポーツウエアブランド「アイゾッド(IZOD)」の卸部門プレジデントなどの要職を歴任している。

 チーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めていたラフ・シモンズ(Raf Simons)の退任後、「カルバン・クライン」はコレクション事業からの撤退やミラノオフィスの閉鎖、ニューヨーク旗艦店の閉店などを発表した。こうした一連のブランド再生策におよそ1億5000万ドル(約162億円)の費用がかかるとPVHは試算している。また19年6月3日には、北米におけるウィメンズジーンズのライセンスを「カルバン・クライン」のライセンス事業を行っているG-IIIアパレルグループ(G-III APPAREL GROUP)に売却した。

 ラフの退任後、PVHはカテゴリーを横断して監督するファッション・ディレクター探しを続けている。キリコ会長兼CEOは、「現在も探しているが、新ファッション・ディレクターが採用された場合はシェリルの下に就くことになるので、決定権は彼女にある」と述べた。また将来的にコレクション事業を再開する可能性については、「まだ検討中だ。しかし再開するのであれば、以前とは違うものになるだろう。いわゆる“コレクション効果”を期待するビジネスモデルはやや時代遅れであり、現在は消費者といっそう緊密につながる必要がある。ソーシャルメディアが重要性を増しているので、より今日的でデジタルな方法が必要となるが、そうした戦略もシェリルが担当する」と話した。

 なお、ステファン・ラーソン(Stefan Larsson)=ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)前CEOが6月3日付でPVHの社長に就任した。現在PVHを率いているキリコ会長兼CEOは5年間の契約更新をしたばかりだが、3~4年後には同氏がエグゼクティブ・チェアマンに、そしてラーソン新社長がCEOに就任すると見られている。

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