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アディダスがブランド不問の回収プログラム、不要品から新たなアパレル製造へ

 アディダス ジャパンは環境の日の6月5日、衣類やシューズの新たなリサイクルプロジェクトをスタートした。自社ブランドか問わないこのプログラムは2016年にドイツで始まり、日本はカナダに次いで3カ国目で、今後アメリカ、西ヨーロッパにも広げる。

 「テイクバックプログラム」では、全国の直営店のうち14店舗に「コレクターズボックス」を設置し、回収した製品は、日本環境設計とアイコレクトジャパンと共に、再利用可能なものとリサイクル対象のものに分別。その後、ポリエステル繊維はケミカルリサイクルを経て新たな糸に、セルロース繊維はバイオ燃料に、そのほかの繊維は断熱材などに生まれ変わる。20年には、回収された製品からケミカルリサイクルを経て作られたTシャツを発表する予定で、その後、アパレル製品に広げていく。

 発表会で登壇したポール・ハーディスティ(Paul Hardisty)=アディダス ジャパン社長は、「サステイナブルな社会は1社の取り組みでは実現できない。コミュニティー全体が一致団結して取り組むことが必要。みなで一緒に取り組もう」と語った。

 その後、プロラグビーの五郎丸歩選手と元マラソンランナーの市橋有里氏がトークセッションを行った。マリンスポーツや釣りが趣味でビーチのそばに住むという五郎丸選手は、「朝ゴミを拾っている人を多く見かける。(ゴミを捨てるという)ネガティブなアクションをポジティブに変換している人がいて、そうした人々から何か感じてアクションを起こしてほしいと思う」と語った。市橋氏は「気持ちの豊かさも生まれてくるから、環境に配慮された商品を選ぶようにしている。選択肢が増える世の中になれば」と語った。

 アディダスは、サステイナビリティー戦略の中でもとりわけプラスチックに注力している。15年には海洋環境保護団体のパーレー・フォー・ジ・オーシャンズ(Parlay For The Oceans)とパートナーシップを組み、海に流入する前のプラスチック廃棄物を海岸や海沿いの地域で回収し、アップサイクルして生まれた“パーレー・オーシャン・プラスチック”を使用したシューズやアパレルを開発・販売している。これまでに約800万足を生産し、今年は1100万足を生産する予定だ。今年4月には、熱可塑化ポリウレタンを単一素材として用いて、のりを使わない100%リサイクル可能なランニングシューズ“フューチャークラフト.ループ(FUTURECRAFT.LOOP)”を発表し、21年には製品化する予定だ。また、24年にはポリエステル繊維はすべてリサイクルしたものを使うことを目指している。

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