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花王が化粧品ブランドを大幅に整理 戦略ブランドに投資集中

 花王は5月18日、花王グループの化粧品事業についての発表会を行い、グループ全体で抱える49のブランドを整理し、戦略ブランドの見直しを行うと発表した。グローバル戦略ブランドを11、国内戦略ブランドを8つに絞って育成し、これまでの複数の分類を排除してカウンセリングブランドとセルフブランドの2つに再編。消費者の選び方や買い方に合わせたチャネル展開を行っていく。

 花王グループはカネボウ化粧品、エキップの他、「ソフィーナ(SOFINA)」「キュレル(CUREL)」「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」の各ブランドによる5つの事業体を持つ。しかし、それらが独自運営を続けたことでグループ全体のブランド数が49まで膨れ上がり、ブランドの役割や優先順位が不明瞭となり効率が低下していた。過去5年間の国内市場シェアは11.8%から10.7%と縮小しており、対策が急がれていた。

 グローバル戦略は潜在力や収益力、グローバル展開への拡張力を見込み、2020年に誕生予定のエキップの新ブランドと、カネボウ化粧品が欧州・中東の40カ国以上で展開している「センサイ(SENSAI)」の他、「RMK」「スック(SUQQU)」「エスト(EST)」「KANEBO」「ソフィーナ iP」「モルトンブラウン」「ケイト(KATE)」「フリープラス(FREEPLUS)」「キュレル」の11ブランドを選定。また、「センサイ」は19年秋に日本に旗艦店の出店を計画し、20年には中国でも展開予定などフラッグシップブランドとして位置付ける。

 国内を中心に重点育成するブランドは「ルナソル(LUNASOL)」「トワニー(TWANY)」「リサージ(LISSAGE)」「プリマヴィスタ(PRIMAVISTA)」「コフレドール(COFFRET DOR)」「アリー(ALLIE)」「エビータ(EVITA)」「メディア(MEDIA)」の8ブランドになる。

 今年1月にカネボウ化粧品の新社長に就任した村上由泰・社長は「これまでの体制では、一つの物事に対する判断も遅く時間がかかっていた。事業運営体制の横軸を整理することで一つ一つのブランド価値を高めていき、20年には現状の売り上げ2712億円から3000億円以上(海外売り上げ比率は20%から25%)、営業利益率は10%(現在は4.7%)を目指していく」と語った。

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