
かつては「ディオール(DIOR)」、直近では「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」で活躍したジョン・ガリアーノ(John Galliano)が復帰し、「ザラ(ZARA)」と型破りなコラボレーションを始める予定だ。異端のクチュリエは、「ザラ」のアーカイブを再構築し、今後2年間シーズン・コレクションを制作する。ガリアーノと「ザラ」は、この新たなプロジェクトを「クリエイティブ・パートナーシップ」と表現し、「解体・再構成して、新たなシーズンの表現と創造へと昇華させる」と共同で発表した。コレクションは9月からシーズンごとに発表する。(この記事は「WWDJAPAN」2026年4月13日号からの抜粋です)
「マルジェラ」の“アーティザナル”は
永遠に語り継がれる業界屈指の大傑作
ガリアーノは「ザラ」のアーカイブからインスピレーションを得て、新たなトワル(試作服)を制作し、コレクションには彼ならではのシルエットや素材、色彩を盛り込むとみられている。卓越したカッティング技術と演劇的なセンス、そしてバイアスカットを巧みに操るスタイルで知られる、ファッション業界屈指の才能の持ち主であるガリアーノは、10年にわたりクリエイティブでもビジネスでも成功を収めた「メゾン マルジェラ」を2024年12月に離れて以来、表舞台から遠ざかっていた。とはいえ、65歳のガリアーノは多くのファンにとって今なお憧れの存在だ。
極めてフェミニンで、歴史にインスパイアされたデザインで知られるガリアーノは、1996年にディオールに入社。クチュリエとしてだけでなく、ショーマンとしても瞬く間に名をはせ、歴史的・文化的なショーは最高峰の舞台にも匹敵するほどだった。長年にわたり、ファッション界の神童として君臨したが、一方で人種差別的・反ユダヤ主義的な発言が相次ぎ、2011年には「ディオール」そして自身の名を冠したファッションハウスから追放された。これらの発言と不安定になっていく彼の行動は、近年のファッション史において最も劇的な失墜劇の一つだった。
13年にはオスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)のコレクション制作に3週間参加して一時的に復帰を果たしたが、ガリアーノに新たなチャンスを与えたのは、「メゾン マルジェラ」のオーナー、レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長だった。彼はガリアーノをメゾンのクリエイティブ・ディレクターに任命したのだ。期待に応え、ガリアーノは「メゾン マルジェラ」、そして自身のキャリアに新たな息吹を吹き込んだ。ガリアーノが去るころには、売り上げは5倍に膨れ上がり、約5億ドル(約915億円)に達していた。
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