ルミネ新宿は、ルミネカード10%オフキャンペーンや“IT’S NEW”ウイーク、「エシカーニバル」で顧客や新客の来店を促し、ファッション、雑貨共に前年同期をクリアした。ルミネ横浜とニュウマン横浜の店長を経て、6月26日付で現職に就任した金子岳史常務取締役ルミネ新宿店長兼ルミネエスト店長に今後の方向性と商況を聞いた。なお、前新宿店店長の草薙恵美子常務取締役は顧問に就任。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月25日号特別付録「ビジネスリポート2025年上半期」からの抜粋です)
WWD:店長就任にあたり、ルミネ新宿の方向性に変化はあるか?
金子:少なくとも、急な大きな変化は予定していない。日本を代表するショッピングセンターで実績もある。これまで積み上げてきたものを大事にしながら、発展させていく。路線は継続しつつ、どこをどう進化させていくかを見極めていく。
WWD:2025年上半期の商況は?
金子:売上高は前年同期比6.8%増と好調だ。業態別では、ファッションは同5.3%増、身の回り品が同10.9%増、コスメは改装や2ショップ減があり同3.2%減だった。身の回り品では訪日客需要が大きい「ジンズ(JINS)」や「キーン ガラージ(KEEN GARAGE)」、2月にオープンしたアクセサリーの「テン(TEN)」などがけん引した。1〜5月は前年同期比が5%以上、1〜3月は予算も達成し、過去最高売上高を更新した。大きな割合を占めるファッションが5%以上伸びて、飲食も2ケタ増だった。
WWD:好調なショップは?
金子:「ジョゼムーン(JOSE MOON)」「バブアー(BARBOUR)」「ステュディオス(STUDIOUS)」「アダム エ ロペ(ADAM ET ROPE)」「カレンソロジー(CURENSOLOGY)」「スナイデル ホーム(SNIDEL HOME)」は全て2ケタ増。メンズでは「パブリック トウキョウ(PUBLIC TOKYO)」「シティ トウキョウ(CITY TOKYO)」「ユナイテッド トウキョウ(UNITED TOKYO)」が好調だった。売上高が大きい「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング(UNITED ARROWS GREEN LABEL RELAXING)」も2ケタに近い伸びだった。コスメでは昨年3月にオープンした「スック(SUQQU)」が着実に顧客を増やし始めている。
WWD:それらのショップの好調要因は?共通項はあるか?
金子:好調要因は多様化している。ルミネカード10%オフキャンペーンで顧客を呼び、大きく数字を作るところもあれば、インバウンド比率を非常に高めて、そこでの実績を大きく作っているところ、店独自の販促企画が当たって、新規を含めた客数増が売り上げ増につながっているところもあったりと、ショップによって売り上げを作るタイミングも戦略も異なっている。「ジョゼムーン」は店頭とECを連携させながら、発売日を設定し、数量を積んで欠品や売り逃しを減らしている。通路のお客さまへの挨拶や、ウェルカムのアプローチの早さなど、店頭スタッフの意識の高さも相乗効果を生んでいる。「バブアー」は国内客だけでなく、訪日客もつかんでいる。特にアジアのお客さまはリサーチを済ませており、指名買いが多い傾向だ。また、ウィメンズ比率が半分にまで増えてきたのも好調要因になっている。「アダム エ ロペ」は館の仕掛けのタイミングに合わせた店頭でのポップアップなどの取り組みが、目的来店につながっている。ずっと好調な「カレンソロジー」は新しい提案もありつつ、人気の商材の在庫の確保もあり、安定している。気温の読みが難しかった中で、カーディガンやシャツ、ブラウスなど羽織として着用できるアイテムをそろえており、お客さまに提案できる商品の幅を広げているようだ。「スナイデル ホーム」はマイメロディやパワーパフ ガールズなどとのコラボアイテムが新しいお客さまを呼ぶきっかけになっている。発売タイミングで長い行列ができている。
ポップアップの売り上げ実績が
約45%増
WWD:ルミネ1の2階のコンコースに面してポップアップスペース「ギャラリー1」を設けて2年が経過した。ポップアップの好評企画は?
金子:ポップアップは売上高の記録を更新して同44.5%増と高伸長している。4月の「(FAMILIAR)」のポップアップは大盛況だった。また、ルミネ2の2階で3月末行った「スナイデル」20周年のポップアップも過去のヒット商品の復刻版を扱うなどで非常に好調だった。3月下旬に行った「メゾピアノ(MEZZO PIANO)」のポップアップも好調。5月の人気韓国ブランド「ジェネラルアイディア」の日本初ポップアップも、先行発売アイテムや、購入者先着100人にノベルティーが用意され、行列ができる好評ぶりだった。
WWD:訪日客需要はどうか?
金子:先述した「ジンズ」「キーン ガラージ」「バブアー」が大きく伸ばしているが、それ以外では「無印良品」「ビショップ(BSHOP)」「スナイデル(SNIDEL)」「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」も人気が高い。来店目的などを免税カウンターでヒアリングして、買い方への理解を深めようとしているが、同時に国籍別のお客さまの傾向をショップにヒアリングもしながら、それぞれに提案をしていきたい。館内での回遊性を高めるべく、免税カウンターを利用すると1万円以上の購買で使える1000円クーポンの配布も期間限定で行った。
WWD:今後の計画は?
金子:集客のための仕掛けの部分は継続しながら、新規のお客さまをリピーターにするための仕組みの部分、例えばカード会員化や新作入荷の案内などを各ショップと連携しながら進めていく。また、ルミネカード10%オフキャンペーンが非常に強い館なので告知期間中に顧客の来店を促し、キャンペーン期間前にゆっくり店頭で吟味していただき、期間中にウェブ決済で購入してもらい、店頭は新規顧客獲得に主軸を置くことも引き続き強化する。5月のキャンペーンの売り上げも同月の実績の中では過去最高だった。事前に購買決定されていることは、ショップにとってもメリットが大きい。新宿店発祥のキャンペーン「エシカーニバル」も価格訴求だけではなく、お客さまへのサステナブルな価値観の提案を出店者と一緒に作り上げていくことで盛り上げていきたい。7月には初めてメルローズのポップアップと連携した。こういうふうに出店者と協力してさまざまな仕掛けと仕組み作りをできていることが、周辺のショップにも好影響を与えるし、館のボトムアップにつながっている。ショッピングセンターの新しいやり方を長いスパンで考えて、探り続けていく。