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スイス発「オン」、スニーカーの新製造技術「LightSpray」を日本で披露 26年中にアジアで工場が稼働

スイス発のスポーツブランド「オン(ON)」は、ロボットアームからフィラメントをスプレー噴射してスニーカーのアッパーを製造する技術「LightSpray」を、東京・原宿の期間限定スペース「オン ラボス トウキョウ(On Labs Tokyo)」で公開中だ。同スペースは世界陸上に合わせ、9月13〜21日に開催。12日に行われた記者会見には、オリヴィエ・ベルンハルド(Olivier Bernhard)オン共同創業者やパブロ・エラト(Pablo Erat)LightSprayディレクターが登壇。アジアに「LightSpray」の工場を設ける計画を発表し、「WWDJAPAN」とのインタビューでは、工場の完成が2026年中の予定と明かした。

「LightSpray」は24年のパリ五輪に合わせてパリで初めて公開して以降、世界の主要マラソン大会などの場でもお披露目してきた。アジアでの公開は今回が初とあって注目度は高く、12日の会見には国内メディアだけでなく中国など国外のメディアの姿も目立った。

「LightSpray」は、透明なコンテナの中にロボットアームやフィラメントを噴出するマシン、プリントのためのマシンなどを備えたユニット。シューズのソールを取り付けたラスト(足形)を人の手でコンテナの中に入れると、ロボットアームがラストを持ち上げ、ラストを回転させながらフィラメントを螺旋状に吹き付けていく。吹き付けが終われば、ロボットアームがプリントマシンの下にラストを持っていき、ロゴやポイントカラーを載せる。1足にかかる時間は、フィラメントの吹き付けだけなら3分強、プリントまで含むと5分強といったイメージだ。

「LightSpray」で生産する
製品ポートフォリオ拡大

オンは25年7月に、本社を構えるスイス・チューリッヒにロボットアーム4ユニットによる「LightSpray」の“マイクロ工場”を設けて、本格的な量産に向けてテストを重ねている。アジアに設ける工場はその「8倍の規模になる予定」とエラト ディレクター。つまり、ロボットアームの数は32ユニットほどになるという。現状、「LightSpray」技術で生産しているシューズは、エリートアスリート向けレースシューズの“クラウドブームストライク LS”(4万4000円)1型のみだが、「製品ポートフォリオを拡大し、ジョグ向けのランニングシューズやライフスタイルシューズも製造していく」と話した。

12日の記者会見では、従来は約200の工程をかけて、30数パーツを組み合わせて生産していたランニングシューズが、“クラウドブームストライク LS”では7パーツになり、アッパーは1工程のみで生産できるようになったという「LightSpray」の技術革新を強調。それにより、廃棄物やCO2排出量も大幅に削減できると訴えた。

21日まで実施している原宿のブランドスペースでは、「LightSpray」技術を公開しているほか、“クラウドブームストライク LS”の試し履きや、トレッドミルでの走り方のコンサルティング、世界陸上の男子3000メートル障害で活躍した三浦龍司をはじめ、「オン」の契約アスリートを招いたトークイベントなどを実施している。

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