第一三共ヘルスケアと御木本製薬は、両社による共創研究が、化粧品技術を競う世界最大の研究発表会「第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会2025」の「口頭発表 Basic Research部門」でTOP10に選出された。
保湿研究は従来、「結合水」に焦点が当てられてきた。ただ、結合水には複数の状態があり、従来の測定法では識別が難しかった。このため、どの水分状態が保湿効果に寄与するか十分に解明されていなかった。
両社は今回、肌の保湿やキメ、ハリ感に関与するとされる「中間水」や「弱い結合水」に着目し、新たな解析手法を確立した。さらに、この手法を用いて、これらの水分量を増やせる成分の探索にも取り組み、肌の水分状態をより精緻に理解・評価できる枠組みを構築したという。
両社は「従来のスキンケアアプローチを革新し、保湿効果に関する新たな概念を提案する第一歩になる」と説明する。これまでも製造や開発で協業しており、「その縁から今回の共創研究に至った」(広報担当者)という。今後の商品化については「新たなスキンケア製品への応用を検討している」と述べるにとどめた。
第一三共ヘルスケアは、OTC医薬品や機能性スキンケア、オーラルケア、食品などを展開する。化粧品カテゴリーでは「トランシーノ(TRANSINO)」「ミノン(MINON)」「ライスフォース(RICE FORCE)」「ブライトエイジ(BRIGHTAGE)」などのブランドを持つ。
御木本製薬は、ジュエリーブランド「ミキモト(MIKIMOTO)」のグループ会社で、1943年に真珠由来成分を活用した医薬品メーカーとして設立。現在は化粧品、医薬部外品、健康食品の製造・販売を手がけ、自社ブランド「ミキモト コスメティックス(MIKIMOTO COSMETICS)」を展開する。国内化粧品メーカー向けにOEM・ODMの受託製造も行っている。