ビューティ
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY

ビューティ、ファッション雑貨の役割を担う

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※この記事は2023年10月04日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

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こちらの動画にもある通り、2024年春夏シーズンのミラノ・コレクションでは、「プラダ(PRADA)」がファッションショーの来場者に「プラダ ビューティ」のアイシャドウとリップ、そしてクリームをプレゼント。今はまだ欧州の一部でしか販売していない「プラダ ビューティ」の存在を、業界人は改めて深く知る契機になりました。

ミラノの百貨店ラ・リナシェンテを訪れると、錚々たるファッション発のブランドがビューティに注力していることがわかります。「ディオール(DIOR)」や「シャネル(CHANEL)」「ジバンシイ(GIVENCHY)」はもちろん、「グッチ(GUCCI)」や「トム フォード(TOM FORD)」「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」「バーバリー(BURBERRY)」「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」。日本ではまだ馴染みのない「ブルネロ クチネリ」の香水も、しっかりカウンターを構えていました。「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」のプレゼンテーション会場で香水について聞いてみると、日本にも来年上陸とか。「オリバー ピープルズ(OLIVER PEOPLES)」とのコラボを改め、エシロールルックスオティカとライセンス契約を交わして販売するサングラスと共に、若い世代に向けたエントリーアイテムに位置付けるのでしょう。「ロエベ(LOEWE)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」の香水のように機能するのかもしれません。

とまぁ、バッグや革小物、キャップにコスチュームジュエリーまで、あらゆるファッション雑貨の値上げが続く中、ファッション発のハイブランドがビューティをエントリーアイテムに位置付け始めました。もちろんビューティ製品だって値上げが続いていますが、購入のハードルはファッション雑貨に比べればずっと低い。フレグランスを皮切りに、カラーコスメ、そしてスキンケアとチャレンジを続けるブランドは、きっと今後も増えることでしょう。「シャネル」のブルーノ・パブロフスキー=シャネルグローバル ファッション部門 プレジデント兼シャネルSASプレジデントはこの夏、「現状、化粧品はもっとアフォーダブル(手頃)だ。こうした商品を買っていただくには違う戦略が必要だが、洋服とは違う種類の商品も活かして、若い世代と繋がりたい」と話しました。まさに、各社が同じような思いを抱いています。

結果、マーケットは大きく変わってきたように思います。特にフレグランス市場は、10年前には堅調だった、いわゆる一般的なライセンス契約に基づくファッションブランドの香水が主役の座を奪われ、上述のブランドやメゾンフレグランスなどが台頭しています。秋恒例の伊勢丹の香りの祭典「サロン ドパルファン」でも、何が売れるのか?の動向を確認したいと思います。

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