ファッション

ロンハーマンがワイキキに新店 ストーリーが生まれる“ライフスタイルショップ”を世界へ

 ロンハーマンは来春、ハワイ州オアフ島のワイキキビーチ沿いに新店舗を開く。アメリカ本国ではメルローズ本店、ブレントウッド、マリブの3店舗を運営するが、サザビーリーグが商標・事業を譲受してからは初の海外出店となる。

 同店はワイキキのメインストリートであるカラカウア通りに面したワイキキ最古のホテル「モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ」の敷地内に位置し、店舗面積は約297平方メートル。店内は白を基調とした開放的な空間で、メンズとウィメンズのアパレルやファインジュエリー、雑貨などを取り扱う。海をキーワードに、サーフボードの廃材や海岸沿いで拾った貝などを用いたグリーンアートも配置し、ブランドの世界観を演出する。サザビーリーグの三根弘毅取締役上級執行役員兼リトルリーグカンパニー•プレジデントに出店の狙いや実店舗の意義を聞いた。

WWD:出店の狙いは?

三根弘毅サザビーリーグ取締役上級執行役員兼リトルリーグカンパニー・プレジデント(以下、三根):いつも自分が出張に行きたいところや“気”のいいところに出店している。もともとハワイは、2015年頃から物件を探していたが、家賃が高くて手が出せなかった。カラカウア通りは、パリのシャンゼリゼ通りよりも人通りが多く、カップルから子ども連れの家族までが集まり朝から夜遅くまで賑わっているような場所だ。僕自身もよくサーフィンをしに行ったり、子どもと旅行したりする。こんなところに店を構えられたらいいなとずっと思っていた。海から100メートルもないような場所で、デザイナーズのウエアやアクセサリーに出合える意外性も面白い。家族がディナーをした後の帰りに寄って、ワンピースを買ってくれるような店になったらうれしい。気持ちの良い場所に出したかったというのが大きな理由だが、戦略的な部分では、世界中の人々が集まるこの場所に店を構えることで、ロンハーマンの知名度向上にもつなげたい。

WWD:今の時代における実店舗の役割をどう考える?

三根:僕たちは、服やアクセサリーを売っているだけではなく、体験を提供している。ストーリーが生まれる場であることが店舗の意義だと思う。ロンハーマンとしては今後よほど面白い場所がない限り、出店しない。例えば船でしか行けない場所とか干潮の時にしか行けない場所とか。とにかく、不便なところがいい。今の時代モノが欲しければECでクリックすれば次の日には手に入る。でもそれはロマンチックではない。僕は昔おもちゃ屋に行って、たくさんの商品の中から何日もかけて悩んで選んだ記憶がある。そういうストーリーがあると、モノを大事にする。ハワイの店も「2人で飛行機で行ったね。ロンハーマンでジュエリー買った日から10年だね」みたいなストーリーが生まれる場所。儲かることだけを狙って出店しても、目指す方向性から離れてしまう。自分たちが行きたい土地や僕たちのビジネスが求められているかどうかで出店場所は選んでいく。

ロンハーマン的“ライフスタイルショップ”とは?

WWD:業績はコロナ禍でも好調と聞く。

三根:絶好調だ。むしろコロナの最中が、1番業績が良かったくらい。SDGsの観点から売り上げを伸ばすよりも絶対に在庫を廃棄しないと考え方を変えたことで、利益が前より残るようになった。すごくいい勉強になったと思う。今も売り上げをどう取るかよりも、何をどう売るか、ロンハーマンがどうあるべきかをみんなで考え動いている。

WWD:ロンハーマンは国内アパレルのなかでも、いち早くサステナビリティに取り組んだ企業だった。

三根:究極はビジネスをやめた方が、地球のためになる。でも、僕たちがやめても洋服屋は残る。であれば、自分たちがアクションを起こすことで業界に少しでも刺激を与えたいと思った。事業を始めた当初から「一生着られる服を提供しよう」と言い続けてきたが、利益を出すために作り過ぎてしまうこともあったので、そこを見直した。加えて「強く、優しくあること」は以前からずっとテーマだった。僕は採用面接で「電車でちゃんと席譲っていますか?」と聞く。社会や身の回りに感謝し配慮できる心根の良い人たちにチームに入ってほしいから。結果的に今一人一人が、サステナビリティを当たり前のこととして捉え、新しい取り組みを自発的に考えてくれている。

WWD:ロンハーマンは“ライフスタイルショップ”の先駆けだが、これからの時代もその提案は顧客に響く?

三根:“ライフスタイルショップ”の定義は、単純に洋服と雑貨とアクセサリーを一緒に売る店ではない。店に足を踏み入れてから退店するまでに「明日も頑張ろうかな」と気持ちが変わるきっかけをくれるのが、“ライフスタイルショップ”だと僕は思う。お客さんをそう言う気持ちにさせたかどうかだから、それに飽きはこないだろう。ロンハーマンカフェのスタッフは、僕が驚くぐらいお客さんをもてなす。この前もお客さんが足をひきずっていることに気付いたスタッフが、絆創膏を差し出して感謝状をいただいた。しかも、スタッフは何人にも同じようにおもてなしをしているから、感謝状が届いてもどの人からかわからないくらいだ。お客さんからは、スタッフの接客がいいから過ごし易いと言ってもらえる。ハワイもそう言う店になってほしい。親が試着している間に、子どもはスタッフと自由に遊んでいるような空間を目指したい。

■ロンハーマンワイキキ店
オープン日:来春予定
時間:8:30〜22:00
定休日:無休
住所:Moana Surfrider Hotel, A Westin Resort & Spa, Waikiki Beach 2365 Kalakaua Ave.Tower Wing Shop #1 Honolulu, HI 96815

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