ファッション

27歳のマクシミリアンによる新生「フェラガモ」はドラスティックな改革で好発進 新作シューズ&バッグが充実

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 「フェラガモ(FERRAGAMO)」の大改革が始まった。新クリエイティブ・ディレクターのマクシミリアン・デイヴィス(Maximilian Davis)は、初めて手掛けた2023年春夏コレクションのショーをミラノ・ファッション・ウイーク中に披露。ブランド名はショーの発表に合わせて、「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」から「フェラガモ(FERRAGAMO)」にあらため、ロゴもクラシックな筆記体からゴシック体へと刷新。ブランドのシグネチャーである赤色も、朱色のようなより鮮やかな色味に変えた。

「フェラガモ」とは?

 「フェラガモ」は1927年創業の、今年で95年を迎えたイタリア・フィレンツェ発のラグジュアリーブランド。靴職人であった創業者のサルヴァトーレ・フェラガモによる靴は、デザイン性だけでなく、履きやすさを重視した画期的な靴型で、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)やオードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)をはじめとするハリウッドスターを虜にしたことで知られる。創業者の死後は、家族によって引き継がれ、バッグやウエアなど幅広くビジネスを拡大した。

 日本では現在、グログランリボンをあしらった“ヴァラ(VARA)”のシリーズが人気アイテムで、2万円台から購入できるバレッタなどはギフト需要も高く20代の顧客も獲得しているという。ただ主力商品のシューズは、従来通りのコンサバティブで、落ち着いた印象から中心顧客は50代以上と、ブランドとしての若返りが急務とされていた。特に30〜40代の新規客の取り込みを課題にする。

マクシミリアン・デイヴィスとは?

 前任のポール・アンドリュー(Paul Andrew)の後、抜擢されたマクシミリアンは、イギリス・マンチェスター出身の27歳である若手デザイナーだ。ロンドン発の「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」などで経験を積んだ後、2020年に自身のブランド「マクシミリアン(MAXIMILIAN)」を始動。テーラードや大胆でセンシュアルなカッティング、そしてルーツであるトリニダード・トバゴのカルチャーや黒人としてのアイデンティティーを反映したデザインに定評がある。また、リアーナ(Rihanna)やキム・カーダシアン(Kim Kardashian)らが着用しているなど、セレブリティーからも愛されている。デビューした同年には「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(通称LVHMプライズ)」のセミファイナリストに選出されたほか、22年の「タイム(TIME)」誌の“ネクスト ジェネレーション リーダー”に選ばれ、業界からの評価や注目度も高まっている。

 ビジネス面のサポートも手厚い。1月に就任したマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)CEOは、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代の「セリーヌ(CELINE)」や、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)による「ジバンシィ(GIVENCHY)」「バーバリー(BURBERRY)」などで、トップを歴任してきた実力者。デザイナーと共に二人三脚で、バッグやシューズはもちろん、ウエアにおいてもビジネスで大成功を納め、人気ブランドへと押し上げた実績がある。ゴベッティCEOの指揮による改革は、業界関係者も期待を抱く者が多い。

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