ファッション

「セリーヌ」2016年春夏パリ・コレクション

REPORT

どこか郊外でテントを張って休憩しない?

「セリーヌ(CELINE)」のショー会場は、室内にもかかわらず、キャンプ場のような開放感がたっぷり。床には明るい色の土が敷き詰められ、頭上にはカラフルな布が張り巡らされている。会場装飾を手掛けたのはフォス(FOS)。「セリーヌ」表参道のアクセサリーやシューズエリアの什器、ランプなどの制作も手掛けたデンマークのアーティスト集団だ。同店を訪れたことがある人ならピンとくるだろう。ラグジュアリーブランドならではの緊張を保ちつつも親しみやすく、アートフィーリングが随所に見つかるあの空気が、今季のショー会場にも漂っていた。

そんな会場のアウトドアフィーリングとは対象的にファーストルックは、シルクサテンとレースのランジェリードレス。よく見るとたたみしわのような線がついている。旅先でバックパックから引っ張り出してすぐに着たようなラフさだ。サイドゴアブーツに赤いルージュとゴールドのアクセサリー。どこかチグハグなそのスタイルは、お気に入りのワードローブを鞄に詰め込み都会を抜け出し自然の中で一息をつく、そんな女性像を彷彿とさせる。それはまさに今、都会で暮らす女性の多くが望んでいることだ。

ランジェリードレスの上に羽織るのは、プレ・スプリングにも登場した、ウエストラインを強調するコートジャケット。肩が丸く、袖が太めで少しオフボディのフォームは、袖を通すだけで女性の身体のラインをきれいに見せる。ウエストにフォーカスしたシルエットは今季のコレクションを通じて繰り返し登場する。リブニットをウエストに配したテーラードのコートや、ふくらんだ袖がポイントの白いコットンのシャツドレスなど。コルセットの要素を服の中に組み込み形作ることで、緊張感とリラックスを共存させている。

シーズンごとに全てをガラリと変えるのではなく、これまで発表したコレクションの中からお気に入りの要素を少しずつ取り入れてアップデートするのがフィービー流。サステイナブルな感覚が心地よい時代に、その手法に共感を覚える人は多いだろう。2014-15年秋冬のファーストルックで見せた白いボタンが印象的なダブルブレストのロングコートは、今季はDカンをアクセントにしたジップアップ型に変えて白いボタンは装飾として残した。

後半は、ブラウンベースのチェック柄とスポーティーなアイテムを増やしてよりメンズライクにシフト。ルーズシルエットのパンツに、テントのようなパーツをアクセントにしたキャミソール、ジム帰りの格好のようなジップアップのニットとギャザーフレアパンツ。いずれも肩肘張らずリラックスしている。

フィナーレを終えて足元を見ると土の上にモデルの足跡がたくさんついていた。そんなアナログな光景も心地よい。

LOOK

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