ファッション

本明秀文の“ノット”スニーカーライフ「トランプ関税とスニーカー」

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アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。トランプ政権による相互関税の発表が、世界のスニーカー業界に波紋を広げている。現在は90日間の停止期間中だが、主な生産拠点である中国やベトナム、インドネシアに対してこのまま高関税が課されると、アメリカ市場の依存度が高い大手スポーツメーカーは、サプライチェーンの再編を迫られることになり、世界のスニーカー市場にも影響が出るだろう。トランプ関税で、スニーカーはどうなる!?(この記事は「WWDJAPAN」2025年4月28日号からの抜粋です)

──世界中が振り回されているトランプ関税ですが、スニーカーはどうなるんでしょう?

本明秀文(以下、本明):スニーカーは、中国製、ベトナム製、インドネシア製が多い。証券会社のアナリストリポートによれば、主要スポーツメーカーの国別生産比率は、「アシックス(ASICS)」がベトナム50%、インドネシア25%、カンボジア24%。「ナイキ(NIKE)」が中国18%、ベトナム50%、インドネシア27%。「アディダス(ADIDAS)」が中国14%、ベトナム39%、インドネシア32%。「オン(ON)」がベトナム90%、インドネシア10%。「プーマ(PUMA)」が中国30%、ベトナム26%、インドネシア5%、カンボジア13%。今は一律10%の基本関税が適用されているけど、3カ月後に再び見直される可能性があると言われている。トランプ政権がベトナムに課す相互関税が46%、インドネシアが32%でしょ。その分のコストは定価に上乗せされる可能性が高いから、単純に100ドル(約1万4300円)のものに相互関税がかかった場合、現状の110ドル(約1万5700円)から、ベトナム製は146ドル(約2万800円)、インドネシア製は132ドル(約1万8800円)になる(※価格は関税が仕入れ価格にかかる場合の理論値)。

──意外なのは、全体的に見ると中国製のスニーカーは減っているんですね。「ナイキ」が18%、「プーマ」が一番高くて30%。

本明:中国の人件費が上がってきているから、全体的にベトナムやインドネシアに移行している。アメリカの対中国関税は現状20%。それを追加関税で最終的に145%に引き上げるというけど、“エア ジョーダン1(AIR JORDAN 1)”は中国製が多いから(近年はベトナム製も増えている)、このままだと定価180ドル(約2万5700円)が相互関税発動後に441ドル(約6万3000円)になる計算。当然、そんな値段では売れないだろうけど、世界的な価格改定につながり、日本にも影響が及ぶはず。まぁ実際には、インボイス(仕入れ価格)に関税がかかるわけだから、定価をそのまま引き上げるわけじゃなくて、「ナイキ」側がどこかで利益を削らざるを得なくなる。だからトランプ関税で大きな打撃を受けるのは、アメリカ市場での売り上げ比率が高い「ナイキ」や「ホカ(HOKA)」だよね。スニーカーの本場はアメリカだから。

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