ビジネス

「ルイ・ヴィトン」の親会社、20年7~9月期は売上高1兆円超え 順調に業績回復

 LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2020年7~9月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比10.2%減の119億5500万ユーロ(約1兆4704億円)だった。4~6月期(第2四半期)の売上高が同37.8%減の77億9700万ユーロ(約9590億円)だったことを考えると、順調に回復しているといえるだろう。

 これは主に「ルイ・ヴィトン」や「ディオール(DIOR)」などのスターブランドを抱える主要事業のファッション・レザーグッズ部門の売上高が、同9.1%増(現地通貨ベースでは同12%増)の59億4500万ユーロ(約7312億円)と好調だったことによる。また「モエ ヘネシー」がけん引するワイン&スピリッツ部門も、同4.8%減(現地通貨ベースでは同3%減)の13億6400万ユーロ(約1677億円)と堅調だった。地域別では、米国とアジア地域の売り上げが好調だった。

 ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者(CFO)は、「『ルイ・ヴィトン』や『ディオール』に加えて、『セリーヌ(CELINE)』『ロエベ(LOEWE)』『フェンディ(FENDI)』の売り上げが大幅に改善した。まだ業績の芳しくない部門もあるが、全体としては徐々に持ち直している」と語った。

 人々が思うように外出できない状況が続く中、多くのブランドや小売店でECの売り上げが増加している。LVMHは主要ブランドでオンラインショップを展開しているほか、傘下の百貨店ボン・マルシェ(LE BON MARCHE)が小規模なECサイト「24セーブル(24 SEVRES)」を手掛けているものの、基本的にはECにあまり積極的でないことで知られている。ギヨニーCFOは、「ここ数カ月間は『24セーブル』の業績が伸びていて喜ばしく思っている。とはいえ、ECはさまざまな事情によりオンラインで買い物をしたい顧客のための補完的なものであり、販路のメインは店舗であることに変わりはない」と述べ、ECにおいてアマゾン(AMAZON)やフェイスブック(FACEBOOK)と提携するつもりはないと付け加えた。

 アマゾンはラグジュアリーブランド専用のアプリ「ラグジュアリーストア(Luxury Stores)」を9月15日に公開しているが、LVMH傘下のブランドに出店を打診したもののすげなく断られたという憶測が以前から広まっていた。これに対して、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は20年1月の決算説明会で、「そうした大手プラットフォームから何度か打診を受けたが、そのたびに断っている」と話している。

 一方で、同社の傘下ブランドの中にはアリババ(ALIBABA)が運営する中国大手EC「Tモール(T MALL)」内に出店しているところもある。ギヨニーCFOは、「中国ではそうしたプラットフォームに出店していないとたくさんの見込み客を逃してしまう恐れがある。しかしこれは主に化粧品についての例外的な話であり、当面はラグジュアリーにおいてECがメインになることはないだろう」と説明した。

 LVMHといえば、ティファニー(TIFFANY & CO.)を162億ドル(約1兆7010億円)で買収することを19年11月に発表して大きな話題となったが、相思相愛に見えた取引がコロナ禍などさまざまな事情によって暗礁に乗り上げ、最近では激しい訴訟合戦の様相を呈している。

 ギヨニーCFOはこれについて、「『ティファニー』が素晴らしいブランドだという当社の考えは変わっていないし、市場の目を気にすることなく長期的な戦略を実行するためにもティファニーは非上場企業となったほうがいいのではないかと思うが、本件についてこれ以上コメントすることは控えたい。買収を発表した時から、われわれの考えは変わっていない」と話し、態度をやや軟化させていることをうかがわせた。また10月末には、欧州委員会から取引に関する承認が得られる見込みだという。

 なおティファニーは、10月15日に20年8〜9月の暫定的な決算を発表。売上高は微減だったものの、中国本土と米国での業績が好調だったこと、またECが前年同期比で2倍近く伸びたことから、営業利益は同25%増となっている。これを市場が好感し、同社の株価は終値で前日比2.2%高の121.69ドル(約1万2777円)をつけた。

最新号紹介

WWD JAPAN

アウトドア消費の現在地と未来 ブームは一過性か、それとも日常に定着するか

「WWDジャパン」11月30日号は「アウトドア」特集です。アウトドアウエアが日常的に着用され、商業施設の目玉テナントとして誘致されるなど、市場を席巻しています。キャンプやハイキングなどはコロナ禍に最適なレジャーとしても注目されていますが、このブームは一過性のものなのか、あるいは日常に定着するのか。特集では、自然の豊かさを多角的に発信するアウトドア企業のトップや、ファッション視点で市場を見てきた名物…

詳細/購入はこちら