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「パテック フィリップ」がスイスに新工場を建設 講堂やレストランも併設

 スイスの高級時計ブランド「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」が新たな工場をスイスに設立した。完成を祝して同ブランドはステンレススチールの“カラトラバ”を1000本限定で発売する。新工場は今後20〜30年間の成長に対応できるように、6億スイスフラン(約672億円)を投入してジュネーブのプラン・レ・ウアットに建てられたもので、地下4階を含む10層の広大なスペースを確保。さらに299席ある講堂や880人を収容することができるレストラン、4つのVIPラウンジを設け、駐車場は600台分の面積を持つ。

 今回の5年間にわたった新しい工場設立計画は、ティエリー・スターン(Thierry Stern)社長の父フィリップ・スターン(Philippe Stern)が活動した地にワークショップを開きたいという思いとともに、ブランドの諸活動を独立したものにしたいと同社長が考えてのことだという。年間6万2000本の生産量を増やすことが狙いではなく、生産に関わるさまざまなリソース運用を効率的で合理的なものにするためだという。同ブランドは「この工場は『パテック フィリップ』のジュネーブのルーツを再確認し、伝統と革新を完璧に融合させた時計作りのこれからの芸術性を確信するものだ」と述べた。

 スイス時計産業連盟の月次統計によるとスイス時計の輸出量は減少し続けており、新工場は新型コロナによる経済への打撃を受けた困難な時期に完成を迎えることとなった。統計によると、5月のスイス全体の輸出量は前年同期比67.9%減で、6月までの5カ月の間に全体で同35%減少した。5月は中国市場も同54.6%減で、市場の回復は「まだ見通しがついていない」と連盟は述べる。

 新型コロナウイルスによって経済に打撃を受ける前から、スイス時計業界は厳しい状況にあった。“アップル ウオッチ(APPLE WATCH)”の台頭や、主要市場の香港で長期化したデモの影響を残したままであるほか、20年現在は新型コロナウイルスによって苦戦を強いられている。