パリの競売会社「サザビーズ(SOTHEBY’S)」は1月28日(現地時間)、ドリス・ブリンナー(Doris Brynner)が所有していたハイジュエリーやオートクチュールドレスなどを含むオークションを開催した。
ドリス・ブリンナーは1950年代、チリからフランスへ渡り、モデルとして活動する傍ら、「ピエール・カルダン(PIERRE CARDIN)」でキャリアをスタート。その後、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」で特別顧客担当責任者となった。「クリスチャン ディオール(CHRISTIAN DIOR)」(当時)では、インテリア&ギフト部門長を長年務めた。
プライベートでは、ロシア出身の俳優ユル・ブリンナー(Yul Brynner)の妻であり、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)やエリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)ら、当時を代表するスター俳優たちと親交が深かったことでも知られる。デザイナーズブランドの服やジュエリーをはじめ、書籍やテーブルウエアに至るまで幅広いコレクションを所有するコレクターとしても有名だった。ドリスは昨年2月、93歳で逝去。今回のオークションには、オードリーやエリザベスから受け継いだ遺品を含む私物が、娘のビクトリアによって出品された。
「クリスチャン ディオール」や「バレンシアガ」の希少品
今回のオークションでは、数々の希少な品が出品された。中でも注目を集めたのが、ロジェ・ヴィヴィエ(Roger Vivier)が手掛けた「クリスチャン ディオール」のピンクのパンプス。最高予想価格の33倍以上となる1万6510ユーロ(約306万円)で落札された。さらに、ヴィヴィエによるアリゲーター革のチョコレートブラウンのアンクルブーツも同額で落札され、400〜800ユーロ(約7万4100〜14万8300円)という予想価格を大きく上回った。
オードリーから譲られたとされる「ブルガリ(BVLGARI)」のブローチは、35万5600ユーロ(約6592万8700円)で落札。4人の買い手による激しい入札の末、最高予想価格の約6倍に達した。
トップ10の最高落札価格のうち半数を占めたのは、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」を代表するデザイナーの一人、ジャン・シュランバージェ(Jean Schlumberger)による複数のデザインを含むジュエリー。さらに、エリザベスがかつて所有していた「ポール・フラト(PAUL FLATO)」のダイヤモンドブローチは、5万800ユーロ(約941万8300円)で落札された。
オークションに先立ち、2026年春夏オートクチュール・ファッション・ウイーク期間中の1月23〜26日にドリスのコレクションの展覧会が行われ、1962年製の「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のコートを含む貴重なオートクチュール作品にも注目が集まった。その結果、オークション全体では、推定価格を大幅に上回る計172万ユーロ(約3億1889万円)の売り上げを記録した。